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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十七話 破傷風その十一

「あそこで勝って負けてね」
「笑って泣いて」
「そうしてきたからね」
「それぞれの高校の人達も一緒で」
「常に優勝するのは一校だから」
 全国で勝ち残ってきた学校の中からだ。
「その他の高校は負けてるからね」
「その血と汗の涙が百年よね」
「相当だね」
 僕も考えてみて思った、それも心から。
「凄いね」
「そうよね」
「そう思うとね」
 本当にだ。
「あそこの怨念は凄いね」
「相当なものになってるわね」
「春と夏で」
 しかもいつも甲子園で行われるからだ、春も夏も完全に日本の風物詩の一つとなっている位だ。
「凄いだろうね」
「それもあるわよ」
「何かそう考えると」
「阪神が勝つにはね」
 特に秋にだ。
「苦労が必要ね」
「やっとスター選手の退団がなくなったのに」
 かつてはこれも名物だった。別当、小山、村山、江夏、田淵、江本、バース、掛布そういえばバッキーも。とかく阪神のスター選手は終わりがよくなかった。
「それがあったね」
「というかスター選手の退団も」
「昔多かったっていうけれど」
「それもね」
「呪いでしょ」
 二人で僕に言ってきた。
「今お話しているそれね」
「まさに」
「そうだろうね、それがなくなっても」
 これだけでも嬉しいことは嬉しいけれどだ、あと監督の交代劇で毎回揉めていたこともだ。どれもお家騒動だった。
「勝てないからね」
「不思議な負け方ばかりして」
「それでね」
「負けに不思議の負けなしっていうけれど」 
 不思議の勝ちあれど、だ。言った野村克也さんは阪神の監督もしていたが暗黒時代真っ最中の時だった。
「阪神はあるね」
「絶対にね」
「そう言っていいわね」
「本当に不思議な負け方するから」
「奇跡みたいな」
「うん、普通に出たエラーが負けにつながったり」
 それも大事な試合でだ。
「ギリギリツーベースになったりとか」
「そういうのばかりだとね」
「絶対に何かあるわよね」
「もうそうとしか思えないよ」
 阪神だけじゃないだろうか、不思議の負けがあるチームは。
「それでずっと優勝出来なかったからね」
「そういうのを見たらね」
「否定出来ないわよね」
「僕もね、総帥さんも阪神ファンだし」
 何でも創設の頃からのファンらしい、畑中さんもそうだけれど戦前の阪神は今よりずっと強かったらしい。
「何かお願いしてみようかな」
「それでお祓いしてもらうの」
「甲子園を」
「そうしてみようかな」
 かなり本気でだ、僕はこう思った。
「一度ね、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「総帥さん本当に阪神が好きでね」
 それで先代さんが創設された八条グループのプロ野球リーグ八条リーグをさらに充実させた位だ、チーム数はメジャー並にあるこのリーグの。 
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