夢幻水滸伝
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第六十五話 人間の姿でなくともその十二
「阪神はな」
「それでそこでもネタになる出来事があるな」
「ああ、ヤクルトと優勝争った時もな」
一九九二年のことである。
「あの時はホームランが二塁打いなったりな」
「八木選手やな」
この名前もだ、施は出した。
「あの人のホームランがやな」
「見事にな」
まさに文字通りにだった。
「判定が覆ってな」
「エンタイトルツーベースになってやな」
「それで試合は引分けになった」
入っていればサヨナラだった、そしてその勝利が阪神優勝に大きく流れを寄せていたと今でも言われている。
「それが効いて優勝出来んかった」
「もう何か憑いてるな」
羅はそうしたものを感じていた。
「明らかに」
「甲子園の魔物か」
「他の球場にも出張してるやろ」
甲子園で阪神に祟るだけでなく、というのだ。
「何処でもネタになってるからな」
「それはな」
「否定出来んやろ」
「ああ、魔物にな」
「ケンタッキーのおっさんもやな」
羅はこちらも話に出した。
「あれもおるしな」
「その話出すか」
「道頓堀に放り込んだんやな」
「そや、日本一の時にな」
一九八五年のことだ、今も伝説になっている年だ。
「バースに似てるって言うてな」
「道頓堀に飛び込んでる人等が一緒に入れてやな」
「そこからや」
この都市伝説がはじまったのはだ、そしてこのカーネル=サンダースの人形は長い間発見されなかった。
「阪神に祟ってるらしい」
「恐ろしい話やな」
「その前から色々あったけどな」
阪神タイガースにはだ。
「一九七三年の最終戦なりバッキーさんの乱闘なり藤村さんの連続イニング出場が潰れたりとか色々な」
「ネタ多過ぎやな」
「それは祟りやっていうんやな」
「そうちゃうんか」
羅は芥川にかなり本気で聞いた。
「阪神の場合は」
「それはな」
芥川はここでも否定出来ずに言葉を返すしかなかった。
「やっぱりな」
「あるやろ」
「実際に言われてるしな」
「ケンタッキーのおっさんの呪いやな」
「それにや」
さらに言う芥川だった。
「魔物もな」
「それもやな」
「甲子園におるっていうしな」
本来は高校野球で言われるものだが阪神にも言われるんどあ。
「本拠地に」
「そのせいで毎年何かがあるんやな」
「ここぞって時にな」
「難儀なチームね」
アレンカールもこう言うばかりだった。
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