八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十七話 破傷風その四
「二日酔いでしょ、多分」
「その時はあれよ」
「お風呂に入って」
「それですっきりするから」
「じゃあサウナに入るのね」
「水風呂とかわりばんこにね」
「それは効くわね」
「もうその時も覚悟してるわ」
今しこたま飲んで朝二日酔いで大変になってもというのだ。
「もうそのうえでよ」
「今飲んでるのね」
「そうしてるからまずはね」
「寝る為になのね」
「飲んでるのよ、ついでに楽しんでるわ」
そうもしているというのだ。
「酔うこともね」
「それは楽しまないとね」
詩織さんも同じ意見だった、見れば香織さんのお顔はもう真っ赤になっている。詩織さんのお顔も徐々にそうなっていた。
「お酒を飲むならね」
「酔ってね」
「気分がよくなることもね」
「上杉謙信さんみたいによ」
何か今日はこの人の名前をよく聞く、僕は聞いていて思った。
「しこたま飲んでね」
「そうしてよね」
「寝るから」
「縁側では飲んでないけれどね」
「しかも柿ピーだしね」
おつまみの話もした。
「梅干しじゃなくて」
「そうしたところは違うけれどね」
「それでも謙信さんみたいにね」
「飲みましょう」
「今はね」
「まあね、今年の神戸の秋はね」
僕も飲みつつ二人に話した。
「いつもよりも暑い感じがするよ」
「そうなの」
「普段の年より暑いの」
「そんな気がするよ」
「そうだったの、暑いって思ったら」
「いつもより暑いのね」
「夏は普通だったけれどね」
いつもの神戸だった気がする、少なくとも八月三十一日夏休みの終わりで暦のうえで夏が終わるその日まではだ。
「それでもね」
「九月はなのね」
「今は」
「いつもより暑いよ」
こう二人に話した。
「気のせいかね」
「蒸し暑いっていうか」
「そんな感じ?」
「そうよね、からっとしてなくね」
「過ごしにくいっていうか」
「だからクーラーつけてても暑いのかしら」
「湿気のせいでね」
二人は飲みつつ僕の話に考える顔になって話した。
「湿気が多いとその分暑いからね」
「そのせいでね」
「風がないのかな」
僕は神戸特有のこれのことかと思った、ここで。
「六甲おろしね」
「六甲の山からくるあの風ね」
「一気に吹いてくる」
「あれが吹くと湿気が吹き飛ばされるから」
街にこもっているそれがだ、勿論熱気もだ。だから神戸の街は大阪や京都特に盆地で熱気がこもる京都よりも涼しいのだ。
「涼しくなって湿気もないけれど」
「今は風がないから」
「それでなのね」
「そうじゃないかな、だったらもうね」
それこそだ。
「風を待つしかないよ」
「風が吹けば涼しくなる」
「そうなるのね」
「そうなると思うよ、特に湿気が飛ばされるから」
若し湿気のせいで今暑いならだ。
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