八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十七話 破傷風その三
詩織さんが来た、そのうえで僕達を見て言ってきた。
「飲んでるの」
「あっ、噂をすれば」
「本当に来たわね」
僕達はその詩織さんを見て思わず言った。
「秋田のお話をしてね」
「ひょっとしてと話したら」
「私の話でもしてたの?」
「そうなんだ、秋田のお酒飲んでてね」
僕は詩織さんに応えて話した。
「それで秋田のお米の話もして」
「私のお話もしたら」
「来るかもって二人で話してたんだ」
「それで実際に私が来たのね」
「そうなんだ」
「噂をすれば影っていうしね」
「その通りになったね」
見れば詩織さんは僕達のすぐ傍に来ていた、そしてだった。
椅子にも座っていた、そうして僕に言ってきた。
「そうみたいね、あとそれがなのね」
「そう、秋田のお酒だよ」
僕は今飲んでいるお酒の話もした。
「美味しいよ、飲む?」
「飲んでいいの」
「実はあと一本あるの」
こう言ってすぐにだった、香織さんは一升瓶をもう一本出してきた。懐から出してきたのはお約束に思えた。
「これね」
「あるの」
「飲むわよね」
「ええ、それじゃあね」
「おつまみもあるから」
柿の種の袋も懐から出していた。
「食べてね」
「そっちもね」
「それで楽しましょう、実はまだ暑いから」
香織さんは詩織さんにもこの話をした。
「寝付けにくくて」
「それでなのね」
「飲んでそうしてね」
「寝るのね」
「そうするの」
詩織さんに話しながらまた飲む香織さんだった。
「一升空けてね」
「そうなのね、実は私もね」
「寝付けなかったの」
「暑くてね」
そのせいでというのだ。
「それでこっちまで来たの」
「そうだったの」
「いや、本当にまだ暑いわね」
早速瓶を開けて自分からコップの中にお酒を入れて飲みつつだ、詩織さんは香織さんに応えて話した。
「神戸って」
「そうよね、東北とかと比べたら」
「どうしてもね」
「それで寝付けないわよね」
「この暑さはね」
どうしてもというのだ。
「参るわ」
「クーラーの分ましでも」
「それでもね」
「暑いのは事実だから」
このことはどうしてもでというのだ。
「寝られないから」
「お酒の力でね」
「寝る為に飲んでるのよ」
「そうだったのね」
「一升飲めばね」
流石にというのだ。
「寝られるでしょ」
「そうよね、ただね」
「朝よね」
「生きてる?」
詩織さんもそう言いつつ飲みはじめている、見ると香織さんと同じ勢いでどんどん飲んでいっている。
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