| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十六話 長くなってきた夜その十二

「そのマンイーターシャークが」
「ホオジロザメが」
「そう、出て」
 そしてというのだ。
「人も襲われる」
「オーストラリアでは本当にそんなことあるんですね」
「あってそして」 
 そのうえでというのだ。
「犠牲者も出る」
「怖いお話ですね」
「ちなみにウミヘビの話もしたけれど」
 さらに言うエリザさんだった。
「陸も多いから」
「ああ、毒蛇大国でしたねオーストラリア」
「そう、物凄く多い」
 何でもこの国は有袋類の国じゃなくて毒蛇の国だという。こうしたことを本当に言う人がいるのが現実の怖いところか。
「種類も数も」
「どっちもですか」
「猛毒の蛇も多い」
「それ台湾と一緒ですね」
「あそこもなの」
「あの島もなんですよ」
 僕はエリザさんにこの島のことも話した、台湾からの留学生の子も多いのでそうした子からも聞いて知っている。
「毒蛇が多くて」
「我が国並に」
「そうだと思います」
「何か沖縄よりもずっと多いみたいね」
 日菜子さんの言葉だ。
「沖縄はハブとヒヤン、ハイ位だけれど」
「ヒヤン、ハイって確か」
 僕は日菜子さんにこの二種類の蛇について聞いた。
「八条動物園にもいる」
「ええ、沖縄の毒蛇よ」
「物凄い数が少ないんですよね」
「本当はいないんじゃとも言われていたわ」
「そうだったんですね」
「もう伝説だったのよ」
 そこまで言われている位数が少ないというのだ。
「ある島にしかいなくて」
「沖縄の中でも」
「見た人も少なくてね」
「いないんじゃっていう位希少な生きものなんですか」
「本来は動物園にいるなんて」
 それこそという返事だった。
「想像も出来ない位ね」
「稀少な生きものですか」
「パンダとか位にかしら」
 そこまでというのだ。
「若しくはアマミノクロウサギとか」
「それ天然記念物ですよね」
「ええ、あとイリオモテヤマネコもね」
 このヤマネコはかなり有名だけれど僕も見たことはない。
「それ位稀少なのよ」
「それでその稀少な蛇がですか」
「動物園にいてね」
「毒蛇でもあるんですね」
「けれどこのヒヤンやハイとハブ以外はね」
「沖縄もですね」
「そんなに毒蛇いないのよ」
 そうだというのだ。
「ハブの数は結構多いけれど」
「種類自体はですか」
「そんなになくて」
 それでというのだ。
「台湾のお話はびっくりするわ」
「毒蛇の宝庫っていいますしね」
 あと疫病も凄かったらしい、その為日本の統治時代の初期は疫病に随分と悩まされもしたと聞いている。
「冗談抜きに」
「ヒャッポダとかね」
 噛まれて百歩歩くうちに死ぬ位毒が強いからこの名前になったという、何処かの胸に七つの傷がある拳法伝承者みたいだ。
「コブラもいたわよね」
「はい、確か」
「そんなのもいるし」
 それでというのだ。
「沖縄が可愛く見えるわ」
「毒蛇のことではですね」
「ハブがね」
「その蛇はもう代名詞ですよね」
「沖縄のね、けれど台湾とかオーストラリアと比べたら」
 それこそというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧