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『組長と零』

作者:零那
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『貫いた正義』



何事もなかったかのように日々は過ぎ去る。そしてまた私は無駄な正義感から同じ失敗を犯す。
護りたい者を護る為、そうするしかなかった。他に為す術は無かった。
ヤるかヤられるかの選択のみ。

誰も何も責めない。前回と同じ。今回は最初から皆で此処に向かっていた。私が何をするか皆は想定内だった。また皆に罪を背負わせた。

唯一の救いは...護りたい者をちゃんと護れたって事。今回は浅い傷で済んだ。
でも、どんなに感謝されたって嬉しくはなかった...。だってそれは貴女にまた十字架を背負わせてしまったから。

組長は何も言わない。解ってる。お互い。大丈夫...。ごめんなさい、ありがとう。でも、やっぱり自分のしたことそのものに対しての後悔は皆無だった。

人間的には其れが1番の問題なんだろう。仕方無い。欠陥品だから。異端児だから。異常者だから。物心ついた時から精神は破綻する一方の人生だった。

仕方無い。仕方無い。仕方無い...。自分はこういう人種だから、仕方無い。そう言い聞かす。

正義と犯罪、その線引きは?
そんなんどうでもええ。
法律なんかどうでもええ。
周りの目、それこそどうでもええ。

護りたい者を護りたかっただけ。

若さ故、ただただ真っ直ぐ護りたい気持ちが強くて...他はどうでもよくて...ただ、舞を必死に護りたくて...それしかなくて...。

若さ故...そんな言葉では赦されないのは解ってる。けれど...真っ直ぐ突っ走るのは子供の特権だから...。

無理矢理正当化しようなんてことは思ってない。でも、自分の中では正しかった。そうすることが正義だった。

組長も、正しかったと、舞だけじゃ無く、過去の被害者も報われるかもしれないと。今以上の被害者が出ずに終わることも救いだと。そう言ってくれた...。


 
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