夢幻水滸伝

「そうさせてもらいますばい」
「ほな今から」
「呼ばせてもらいます」
　こう言ってだ、純奈はすぐに自分の携帯を取り出してメールを送った、するとすうに二人の少年達が来た。
　一人は日焼けした肌に金髪にしている髪をリーゼントにしている一八五はある大柄な男だ、黄色いブレザーと黒いズボン、それに青いブラウスと赤いネクタイが異様に目立っている。面長の顔立ちは明るくにこにことしている。
　その男は明るく笑って名乗った。
「二年Ｄ組武者小路弥太郎よ、覚えて下さいね」
「その口調地やったんかい」
「実はそうなんですよ」
　大柄で派手な外見に全く似合わないなよっとした仕草で芥川に応えた。
「あたいこんな身なりですが女子力大好きなですよ」
「女子力なんやな」
「趣味はリリアンと編みもの、お料理はお菓子が得意です」
「ほんま乙女やな」
「いやあ、上にお姉ちゃんが四人下に妹が二人いまして」
「おい、姉妹めっちゃ多いな」
「いいですよね」
　その乙女な仕草と共の言葉だった。
「あたいもずっと女子力鍛えられてきました」
「そうやねんな」
「はい、今は寮に入ってますけれど」
　それでもというのだ。
「女子力は磨き続けてます」
「そやねんな」
「はい、こっちでもです」
　そうしているとだ、武者小路は芥川に話した。
「そうしてます」
「成程な」
「石川晋作です」
　痩せて黒い髪の毛を丸坊主に近いスポーツ刈りにしている色白で面長の少年だった、ダークグレーの詰襟がよく似合っている。目は大きく丸いもので唇は薄い。背は一七二位だ。
「Ｂ組です」
「うちと同じクラスです」
　純奈も言ってきた。
「結構仲良くさせてもらってますばい」
「色々助けてもらってます」
　石川も石川でこう言った。
「純奈ちゃんにはほんまに」
「こっちこそばい」
「二人共仲がええな」
　中里は二人のやり取りを聞いて述べた。
「同じクラスだけあるか」
「一回一緒に厚生委員したことありまして」
　石川は笑って中里達に話した。
「それでなんです」
「仲よくなったんやな」
「はい、あと厚生委員長さんにはよくしてもらってました」
「ああ、栗子ちゃんやな」
　商業科の厚生委員長と聞いてだ、中里はすぐにこの名前を出した。
「あの女子野球部の」
「何でも率先してやって見せて指導力もある人ですよね」
「まあな、最近おでこのこと言うても怒らん様になったし」
「いい人です」
「商業科で食堂の娘とパン屋の娘と並ぶ有名人やしな」
「あの娘達もご存知ですか」
「知ってるで、歌留多部の娘達やろ」
　中里は石川に笑って応えた。
「あの二人も有名人やしな」
「そうですか、しかし本当に商業科は女の子が有名ですね」
「女の子の方が多いさかいな」
　それでとだ、綾乃が笑って話した。
「それは当然やね」
「そうですね、星の者は男子生徒も多いですが」
「そうなのよね、これが」
　武者小路は石川のその言葉に頷いた。