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夢幻水滸伝

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第六十四話 頼りになる後輩達その四

「別にな」
「先輩もそう言うだか」
「そいつのことは知らんけどな」
 それでもというのだ。
「話を聞いてると思ったわ。というか自分ええ奴みたいやな」
「素朴でいい奴ですよ」
 雪路も太鼓判を押して中里に話した。
「本当に」
「そうみたいやな」
「親切ですし」
「人にはよくしろと言われてきただ」
 宮沢は朴訥な声で雪路に答えた。
「だからだ」
「誰にでも親切にしてるんだね」
「祖父ちゃんに言われてきただ」
「仙台だったね、故郷は」
「そだ、おらは宮城だ」
 この県出身だというのだ。
「宮城はいいとこだ」
「ほやもあるしね」
「それと政宗公だ」
「それもなんだね」
「政宗公の像見たらびっくりする位に恰好いいだ」
「ただ近くのナマハゲの怖さは凄いわ」
 芥川もこう言う、ナマハゲについて。
「何であんなに怖いねん」
「ああしたもんは全部怖いで」
 綾乃がここで芥川にこう言った。
「トシドンとかアカマターとかクロマターとか」
「全部鹿児島とかのやったな」
「そやで。どれも凄い姿やで」
「そうしたもんやっていうことやな」
「ナマハゲ然りな」
「私は秋田ですが」
 宮子も言ってきた。
「秋田はそのナマハゲもいますが木が多くて素敵な場所ですよ」
「そやな。秋田はええとこやな」
 中里は宮子に応えて言った。
「ほなな」
「秋田に行くことがあったら楽しんで下さいね」
「景色もやな」
「勿論食べものも」
 これもというのだ。
「きりたんぽも」
「ああ、ほやな」
「これも美味しいですから」
「あれ変わった味でええな」
「召し上がられたことがあるんですね」
「あるで。八条百貨店で年に一回東北フェスタやっててな」
 八条駅前にある百貨店だ、八条駅前にあるものは本店で日本全土に展開している百貨店である。いうまでもなく八条グループの企業だ。
「それでや」
「ほやを召し上がられたことがありますか」
「他の東北名物もな」
「ではわんこそばも」
「あれはええな」
 中里はわんこそばについても笑顔で答えた。
「幾らでも食べられるわ」
「百杯いかれたとか」
「いつもいってるわ」
「それは凄いですね」
 大台に達していると聞いてだ、宮子は目を丸くさせて言った。
「お見事です」
「あんな美味くて面白い蕎麦の食べ方はないな」
「私もそう思います」
「あっちの世界でも食べたいな」
「作ってもらってですね」
「そうしたいわ」 
 是非にと言う中里だった。
「僕にしてもな」
「ほな今度わんこそばしよか」
 綾乃は二人のやり取りを聞いて笑顔で提案した。
「そうしよか」
「そやな、一度な」
「そうしよな」
「是非な」
「さて、普通科は巡ったし」
 話が一段落したと見てだ、芥川は中里と綾乃に話した。 
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