| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十一話 読んでいた夜襲その十一

「だからね」
「それでやね」
「ああ、ここはね」
「玲子ちゃんがうちの代わりに闘って」
「護衛にならせてもらうよ」
「ほなここは」
「ああ、大蛇と一緒にね」
 これまで通りにというのだ。
「戦ってくれるね」
「ほなそうさせてもらうわ」
「ああ、あたしが一番にこっちに来たけれど」
 こうも言う玲子だった。
「あたしだけじゃないよ」
「他の星の者達もか」
「来るよ、この騒ぎを聞きつけて皆遂にと思ってね」
 そうしてというのだ。
「来るよ」
「そうか、では貴殿をすぐに倒してだ」
 日毬は自分の前に、綾乃を護る形でそうしている玲子を見据えてそのうえでさらに言った。その赤い目が強く光っている。
「姫巫女殿を倒してだ」
「皆が来る前にだね」
「勝利を掴ませてもらう」
「その考えは聞いたよ、しかしね」
 玲子はその日毬に笑みを不敵なものにさせてまた言った。
「あたしだってそうそうすぐにはやられないよ」
「私の剣術に対してもか」
「ああ、この朱槍と武芸は伊達じゃないよ」
「ではその言葉伊達ではないことを見せてもらおう」
「いいよ、じゃあはじめような先輩」
 二人は大蛇の背の上で一騎打ちをはじめた、日毬は分身の術を使ったまま玲子に向かう。だが玲子も負けておらず。
 分身の術を使い三体になった、そのうえで言った。
「あたしも増やさせてもらうよ」
「貴殿も使えるか」
「ああ、あたしは傾奇者だがね」
「分身の術は使えるか」
「そうなんだよ」
 見ての通りという返事だった。
「この通りね」
「それでか」
「そうだよ、先輩と闘わせてもらうよ」
「わかった、ではだ」
 日毬は真ん中の声が言ってだ、そうしてだった。
 玲子と火花を散らす闘いをはじめた、そして綾乃と東国の面々との闘いに来たのは玲子だけではなかった。
 幸田の前にだ、室生が来て言ってきた。既に地上に降りてそのうえで対峙している。
「間に合ったな」
「今のおいらの心境を言おうか?」
 幸田はその室生を見据えて言った、見れば室生の隣には鈴子がいる。
「あんたさんにな」
「どうなんだ」
「正直言ってしまっただよ」
 こう室生に言うのだった。
「遅くなってしまってな」
「そうか」
「ああ、しかしな」
「それでもだな」
「だからといって諦めることもしないんだよ」
 それはないというのだ。
「生憎な」
「では私を倒してか」
「綾乃ちゃんに向かわせてもらうぜ」
「なら私はその貴殿を止めよう」
「そうしてか」
「勝つのは我々だ」
 自らの神器を出して言うのだった。
「ここはな」
「そうか、その言葉そっくり返してやるな」
「室生さん、ここはですね」
「私に任せろ」
 室生は鈴子に顔を向けて答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧