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空に星が輝く様に

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373部分:第二十八話 見られたものその四


第二十八話 見られたものその四

「そこはね」
「ええ、そこは?」
「何処なの?」
「多分校庭よ」
 そこだというのだ。
「あの二人いつも斉宮達と一緒にいるじゃない」
「それでいつも校庭にいるから?」
「だからなの」
「そう、だからよ」
 それでだというのである。
「そこにいるわ。多分ね」
「じゃあ今からそこに行って」
「あのチビにそれをね」
「ええ、そうしよう」
 こうしてだった。彼女達は校庭に向かうことにした。しかしここで、であった。
 星華にはだ。こう言うのだった。
「星華ちゃんは今はね」
「来ない方がいいよ」
「その方がね」
「いいの?」
 星華は三人の今の言葉に怪訝な顔になって返した。
「私は行かなくて」
「あのチビに怪しまれるからね」
「あのチビ勘いいみたいだし」
「だからね」
 それでだというのである。
「だから今はね」
「じっとしてて」
「私達に任せておいて」
「わかったわ」
 ここでだ。星華は三人の言葉を受けて頷いたのだった。
 そうしてだ。彼女は三人に言う。
「じゃあ今はね。何処かぶらぶらしてるわ」
「うん、そうしてて」
「ここは私達がするから」
「安心してね」
「それじゃあね」
 三人の言葉にまた頷いてだった。星華は彼女達と別れてそれで校内の散歩に出た。そしてである。三人は校庭に向かうのだった。
 そこに来るとだった。すぐに椎名を見つけることができた。
 椎名だけでなく月美もいる。それに陽太郎達もだった。
 彼女達はその椎名のところに向かいだ。何気なくを装って声をかけた。
「あっ、西堀そこにいたんだ」
「探したよ」
「おすそ分けがあるのよ」
「おすそ分け?」
 月美は三人の言葉を受けてすぐに顔を向けた。
 怪訝な顔になっている。その顔で彼女達に問うのだった。
「あの、それは何ですか?」
「ジュースよ、ジュース」
「これあるからね」
「はい、どうぞ」
 まずは月美に手渡す。そしてだ。
 三人は目でそれぞれ合図をした。そうして。
 椎名に対してもだ。そのジュースを出すのだった。
「あんたもね」
「一本余ったからね」
「はい、どうぞ」
「私にもなの」
 椎名は表情を変えず三人に問うた。
「クラス違うけれど」
「だから一本余ったからよ」
「それでなのよ」
「あげるわ」
「そう」
 ここで椎名は三人の目を見た。しかし今はそれ以上は言わなかった。
 それでだ。そのジュースを受け取ってだ。
「有り難う」
「御礼はいいわよ」
「それはね」
「余りだからね」
「残りものには福がある」
 椎名は三人の目を見ながら呟く。
 
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