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八条学園騒動記

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第四百七十五話 無料で遊べるその十

「というか本当に根拠不明だし」
「全部揃えたら世界征服とか」
「水晶の髑髏に特別なパワーがある?」
「霊的な何かが」
「そのせいでかな」
「その力で世界征服出来るのかも」 
 親類社会の全てをとだ、ローリーも述べた。
「ひょっとして」
「そうかも知れないね、あと世界滅亡とかもあるよ」
「それはシャバキさんが好きな話だね」
 それこそ箸が転がっても人類滅亡の序曲だと喚き騒ぐ位の男だ、こうした話が好きでない筈がない。
「何か」
「そうだね、じゃあね」
「今からその水晶の髑髏を観に行こうね」
「レプリカだけれどね」
 二人で話しつつその髑髏のコーナーに向かった、頂上から下に降りる階段を一段一段降りていく。ピラミッドを上がって今度はその中を下るのだった。
 そして中に入るとだった。そこは。
 わりかし広くなっていて博物館に働いている人もいた、その人達がちゃんといるその中においてだった。
 二人は中南米の展示品を見ていったがそこでローリーは神々が描かれた石を観てこんなことを言った。
「何度観ても中南米の神様って」
「独特の姿だよね」
「鳥か蛇かわからない感じの」
「うん、何か混ざったね」
「そんな恰好だよね」
「というか絵がね」
 石に刻まれたそれがとだ、ベッカはケツアルコアトルの絵を観て言った。
「独特のデザインでね」
「わかりにくいよね」
「等身が短くて」
 エジプトの壁画と比べてというのだ。
「それでモチーフが抽象的で」
「ええと、ケツアルコアトルって」
 ローリーはこの時代の連合で信仰されているこの神の姿を述べた。
「緑の身体で翼を持った蛇だよね」
「頭に鶏冠があるね」
「そうだったよね」
「人間の姿にもなるよ」
 ベッカが言うその姿は連合では誰もが知っている姿だ。
「長い髭を生やした白い肌の神官だよ」
「そうそう、純粋なコーカロイドみたいな」
「そんな姿だよ」
 この姿のことも話した。
「その人間の姿もあるけれど」
「この絵を観ているとね」
「わかりにくいよね」
「独特のデザインで」
 それに加えてとだ、ローリーはさらに話した。
「しかもゴチャゴチャしてない?」
「あっ、何かそんな感じだね」
 実際にとだ、ベッカも同意して頷いた。その絵を観ながら。
「昔の中南米の石の絵ってね」
「デザインだけじゃなくて」
「そのせいでね」
「妙にわかりにくいよね」
「何を描いているか」
 それがというのだ。
「僕はよくわからないよ」
「僕もだよ、けれどね」
 自分達にわかりにくくともとだ、ベッカはローリーに話した。 
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