| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十話 午後に何をするのかその十三

「いるけれど」
「北海道の狐や狸だから」
「化かすってお話はないね」
「そっちはなのね」
「化かす狐や狸は小さいっていうし」
「じゃあ完全に本土の狐や狸ね」
「そうだと思うよ」
 こう香織さんに話した、それと香織さんにこうも聞いた。
「あと稲荷神社は」
「キタキツネの?」
「そういうのはやっぱりないよね」
「アイヌの人達の信仰になかったから」
 お稲荷さんのそれはというのだ。
「だからね」
「なかったんだ」
「そうなの」
「まあそれは当然だね」
「お稲荷さんは本土の信仰だから」
 神社というもの自体がだ、神道は日本神話からのものなのでアイヌの人達の神様とはルーツが違うのだ。
「私達は違うけれど」
「本土から移住した人達は」
「また別だけれど」
「その辺り色々だね」
「北海道にもお寺や神社はあるし」
 香織さんは僕にさらに話してくれた。
「天理教の教会もあるわよ」
「ああ、天理教の教会もなんだ」
「あとキリスト教の教会も」
 こちらの宗教もあるというのだ。
「あるわよ」
「今はだね」
「ええ、そうなの」
「アイヌの人達もいて」
「アイヌの人達の信仰も残っていてね」
 アイヌの人達の間にだ、とはいってももうアイヌの人達も僕達つまり大和民族とかなり混血していて純血のアイヌの人もかなり少ないらしい。
「そうした場所なのよ」
「そうなんだね」
「何か北海道って東北と違うのよね」
 詩織さんはここで香織さんにこうしたことを話した。
「同じ寒い場所でも」
「あっ、それはそうよね」
「そうでしょ、東北は東北でね」
「北海道は北海道ね」
「生きものやアイヌの人達のこともあるけれど」
 そういうこと以外にというのだ。
「他にも色々と違うのよね」
「方言とかね」
「もう青森の方言なんて凄いでしょ」
 詩織さんは同じ東北の話をしてきた。
「津軽弁とか」
「あれは凄いわね」
「もうわからないでしょ」
「青森の娘クラスにいるけれど」
「津軽の娘?」
「いえ、青森市の娘よ」
 青森は青森でもというのだ。
「けれどその娘のお祖母さんが津軽の人で話せてね」
「その娘も津軽弁を」
「それで喋ってるのを聞いたら」
「凄かったの」
「その娘が言うにはもっと凄いらしいから」
 ネイティブの津軽弁はというのだ、僕は直接聞いたことがあるけれど聞いていて本当に凄いと思った。
「もうわからなかったわ」
「そうなのね」
「そう、あと昔の鹿児島弁もよね」
「そちらもね」
「凄いのよね」
 青森とは正反対の九州の南端もだ、尚昔の鹿児島弁を喋られる人は今ではかなり少なくなってしまったという。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧