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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十九話 女の子もするゲームその十

「実際畑中さんって逞しいんだ」
「お身体が」
「うん、年齢を感じさせない位にね」
 そこまでだ、お風呂でよく見るけれど。
「それ位だよ」
「じゃあ衰えも」
「見られないよ」
 筋肉を見ればだ。
「身体付きから見ても」
「そうなのね」
「十代の頃から毎日あの鍛錬されているそうだから」
 このこと自体が信じられない荒行だけれどだ。
「ひょっとしたら百二十歳とか」
「天海僧正みたいね」
「ああ、江戸時代のお坊さんだね」
「あの人みたいね」
 江戸時代初期の僧侶で幕江戸の風水や宗教の結界を張る様に提言したらしい。そのせいで東京は今でもそうした結界がかなり強力とのことだ。
「それだと」
「そう言うと何かね」
「おかしいかしら」
「だって天海さんはね」
 政治的には穏健派で穏やかな賢者だったそうだが。
「妖僧ってイメージあるから」
「正体が明智光秀さんとか」
「それは違うらしいけれどね」
 単なる風説の類とのことだ、実際は関東の方の生まれでそこでお寺を持っていたこともわかっているとのことだ。
「何かあんまりにも長生きしていて」
「妖僧のイメージがあるのね」
「実際はそうした人じゃなかったそうだけれど」
「そういえば天海さんってゲームや小説だと妖しい役よね」
「漫画でもね」
 そうした場所でもだ。
「そうした感じがするから」
「そのせいでかしら」
「あの人は妖しいね」
 イメージとしてだ。
「実際は違った人らしくても」
「それでも」
「だからね、天海さんよりも」
 畑中さんはだ。
「剣豪かな」
「そうね、言われてみると」
「畑中さんはそっちだよね」
「免許皆伝だしね」
「そう、そのこともあるから」
 だから余計にだ。
「畑中さんはお坊さんよりもね」
「剣豪ね」
「そちらだと思うよ」
「剣豪で百歳ね」
「それはもうね」
 そこまでの年齢になるとだ。
「もう仙人かな」
「奥義を見出して何処かに隠棲している」
「そんなのかな」
 こう思った、僕は。
「あの人は」
「私もそうね」
「剣豪として生きていて」
「そしてね」
 そのうえでだ。
「あの人はね」
「あの人は?」
「奥義を見付けられても」
 それでもというのだ。
「そこから先をね」
「さらに目指している」
「そんな感じの人でしょ」
「言われてみればそうだね、求道者って感じでね」
 それも正しい意味でだ、間違った求道者は自分のことは最高だとして他人にはあれこれ言う何処が求道者といった奴もいる。それは批評家もどきだろう。 
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