八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十九話 女の子もするゲームその九
「それでもなんだ」
「まだああしてなのね」
「働いておられるんだ」
「もう引退されてもいいと思うけれど」
「六十歳定年として」
普通のお役所や会社の基準から言った、八条グループの企業も大体こうで後は延長契約みたいになっている。
「それでも七十になったら」
「引退よね」
「うん、もう畑中さんのお歳だと」
何しろ第二次世界大戦を知っている人だ、相当なご高齢だ。
「引退されてるよ」
「普通はね」
「けれどご本人は動ける間まで働かれるおつもりとかで」
「今もなのね」
「働いておられるから」
「凄い人よね」
「まさかと思うけれど」
僕も言いながらそれはないと思いながら話した。
「百歳までね」
「働かれるとか?」
「そうお考えかもね」
「まさか」
詩織さんもそれはないと僕に言ってきた。
「幾ら何でも」
「ないよね」
「百歳なんて」
それこそと僕にさらに言ってきた。
「昔は七十歳で滅多にだったのよね」
「古稀っていうからね」
実際にだ、古来稀という意味だ。
「七十歳で」
「畑中さんで米寿とかだから」
「うん、超えてるよ」
その年齢もだ。
「それでだからね」
「百歳なんて」
「流石にそこまで生きてる人もね」
それこそだ。
「稀だからね」
「流石にね」
「そのお歳まで働かれるとなると」
それこそだ。
「とんでもないことだよ」
「そうよね」
「けれど畑中さんだからね」
僕はあの人のことをあらためて思った。
「毎朝ああして鍛錬もされているから」
「十一キロの木刀を千回二千回って振って」
「スクワットもされてだから」
「若い人でもそうそう出来ないわよ」
「うん、とてもね」
直新陰流の鍛錬だ、勝海舟さんもしていたとんでもない荒稽古でこの鍛錬がこの流派をとんでもなく強くしていたらしい。
「出来るものじゃないよ」
「それを毎朝されてるから」
「そのせいかな、お仕事もされて頭の鍛錬もされていて」
読書にも熱心だ、それと座禅もよく組まれていて精神の鍛練もされているとのことだ。
「お風呂で身体をほぐされてしっかりと食べておられて」
「そうした方だからかしら」
「今も働けてひょっとしたら」
「百歳までなのね」
「大丈夫かもね」
本当にまさかと思うけれどだ。
「それも」
「嘘みたいね」
「うん、百歳までなんてね」
「鍛錬も続けられるのかしら」
「そうだと思うよ」
「じゃあ老衰もないかしら」
「衰えは全然ないね」
それは全く見られない、むしろ八条荘dで一番お元気にさえ見える。
「少なくとも僕が見る限り」
「私から見てもね」
「だからね」
「老衰もよね」
「ないよ」
毎日あれだけの鍛錬をされている人がだ。
「あんな木刀持つだけでも相当だから」
「十一キロね」
「それを千回二千回ってなると」
「腕力だけじゃなくて」
「背筋も足腰も相当だよ」
身体全体がしっかりしていないととても無理だ。
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