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オズのガラスの猫

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第四幕その八

「まさか。そんなものまで」
「いや、本当にだよ」
 樵は三人の少年達に笑顔で応えました。
「君達五人の像を造ったんだ」
「そしてその像をですね」
 恵梨香も信じられないといったお顔で言うのでした。
「私達にですか」
「見て欲しいんだ」
 是非にとです、樵は恵梨香にも答えました。
「今からね」
「それじゃあ」
 ナターシャも言いました。
「今からお願いします」
「こっちだよ」
 樵はかかし、ジャックと一緒に皆をお城のお庭の片隅に案内しました。するとそこには本当に五人のブリキの像がありました。
 そのピカピカの像を見てです、五人は言いました。
「うわ、これは」
「そっくりだよ」
「僕達にね」
「ブリキだけれど」
「今にも動きそう」
「ははは、精巧に造ってもらったんだ」
 樵は自分達そっくりの像に目を瞠る五人に笑って言いました。
「そうしたらだね」
「はい、びっくりしました」
「この目で見て」
「本当に」
「何ていいますか」
「私達自身みたいで」
「気に入ってもらったみたいで何よりだよ」
 樵にもこのことはよくわかりました。
「僕も嬉しいよ」
「この像は皆の像のところに一緒に飾るからね」
 かかしも笑顔で五人にお話します。
「今からそこに移すよ」
「その移す時も見ていてね」
 ここで言ったのはジャックでした。
「そしてそれからね」
「出発ね」
「そうしてくれると嬉しいよ」
「わかったわ」
 オズマは樵達に笑顔で応えました。
「そうさせてもらうわ」
「それじゃあね」
「ううん、こうしたことはね」
「まさによね」
 ガラスの猫とつぎはぎ娘もそのブリキの像達を見つつお話をします。
「樵さんならではね」
「そうした配慮よね、あたしだったらね」
 ここで、です。ガラスの猫は像達を見つつこうしたことを言いました。
「ガラスの像にするわね」
「あたしだったらぬいぐるみね」
 つぎはぎ娘はこちらでした。
「そうなるわ」
「そうよね、けれどね」
「ブリキならね」
「樵さんね」
「やっぱりそうよね」
「そのーーブリキのーー像はーーです」
 チクタクはしみじみとした口調になっていました。
「素晴らしいーーです」
「全くよ、じゃああたしも今度ね」 
 ガラスの猫はまた言いました。
「五人、いえ皆のガラスの像を造ってもらおうかしら」
「私達のなの」
「ええ、あんた達にね」
 こうナターシャに答えるのでした、自分の横に来た彼女に。
「そうしてね」
「そのうえでなの」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのです。
「あたしの像も他の皆の像もよ」
「そうするのね」
「そう思ったわ、ただね」
 ここでこんなことも言ったガラスの猫でした。 
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