八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十八話 夏の終わりその四
「それで体育もね」
「そうよね」
「文科系でも準備体操するしね」
「吹奏楽部とかね」
「あと歌劇部もね」
こちらの部活もする、何でも演劇特に歌も入れる歌劇はもうスポーツと同じ位カロリーを消費するからだということでだ。
「するから」
「まずは準備体操をして」
「そうしてね」
「それで義和もよね」
「まずはね」
身体をほぐして温めてだ。
「はじめるよ」
「じゃあね」
「うん、今からするよ」
こう言って実際にだ、僕は準備体操をはじめた。そしてそこで身体をほぐして温めてからだった、自転車の方に向かった。
すると香織さんもだ、自転車の方に来て僕に言ってきた。
「私もね」
「走らないんだ」
「こっちにするわ」
自転車にというのだ。
「気が変わったわ」
「そうするんだ」
「何かツーリングしたくてね」
室内でもとだ、僕に笑って話した。
「だからよ」
「そうなんだ、じゃあ二人でね」
「ええ、走りましょう」
「それじゃあ今からね」
こう話してそれぞれの自転車に乗ってだった、そうして走る用意に入ったが何処を走るのかセットする時にだ、香織さんはこう僕に言ってきた。
「チョモランマにする?」
「あの山をなんだ」
「走ってみる?」
「きついよ、あそこは」
あそこにセットするととだ、僕は香織さんに返した。
「仮想で本物みたいに嵐とか氷はないけれど」
「それでも世界最高峰よね」
「あそこを越えるとなると」
「かなりよね」
「うん、この自転車でもね」
「最高ランクの難易度になってるわね」
伊達に世界最高峰ではないということか。
「じゃあここはね」
「本当にチャレンジして」
「汗をかきましょう」
「僕もかなり大変だけれど」
チョモランマを越えようと思えばだ、例えそれが自転車でしかも嵐も雪もない場所でのことといえどもだ。
「香織さんも」
「勿論大変よ。けれどね」
「運動の為に」
「その為になんだ」
「するわ。何かちょっとここ数日食べ過ぎて」
そのせいでというのだ。
「ダイエットもしないとって思って」
「それでここにも来て」
「そうしてね」
「チョモランマ越えるんだ」
「そうするわ、それでその後は」
自転車でチョモランマを越えた後はというと。
「お風呂入ってね」
「汗かいて身体もほぐして」
「ちょっと休むわ」
「そうするんだ」
「いや、ちょっと学校に行かないと」
少し苦笑いになってだ、香織さんはこうも言った。もう二人共自転車のセットは終わって後は漕ぐだけだ。
「身体もね」
「なまって」
「ダイエットしないと、ってなったのよ」
「そうだったんだ」
「ええ、それとね」
「それと?」
「いや、明日から二学期でね」
それでというのだ、八月三十一日だということをまた意識した。
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