夢幻水滸伝
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第五十六話 幸先よい勝利その十三
「自分等が向かえばな」
「三極星でもやな」
「三人で向かえば勝てる」
一人の者でもというのだ。
「女帝や雷帝でもな」
「自分もそう思うな」
「ああ、ほな女帝や雷帝と戦う時はな」
「神星が何人か向かってな」
当然綾乃を抜いてだ、ここではそうした話になっているからだ。綾乃では他の三極の二人と戦うと彼女の性格から見て不利だからだ。
「そうして倒す」
「そうしてやな」
「ロシアやインドとは戦うか」
「それがええな、連中はな」
まさにとだ、鵺も中里に応えた。
「ほんまに強い」
「そやろ、自分達が先頭に立って戦って破竹の勢いやしな」
「他の星の連中もえぐいしな、ロシアやインドは」
鵺はビールをごくごくと飲みつつ述べた。
「強さは破天荒、戦の仕方は情け容赦ない」
「それでやな」
「ほんまにや」
それこそというのだ。
「連中とどう戦って勝つか」
「太平洋統一の後はそれが課題やな」
「日本統一からな」
「そこが正念場か?」
中里もビールを飲みつつ述べた。
「この世界での戦いの」
「ロシア、インドとの戦いがな」
「そうなるか、まあ今はな」
「日本統一や」
「それの最後の正念場やな」
「まさにやな」
「ああ、ほな今は綾乃ちゃんに任せるわ」
その彼女にというのだ、確かに女帝や雷帝と直接戦えば性格的に不利だが中里は彼女の資質には絶対の信頼を置いていた。
「これまでの戦ぶり見てもわかる、あの娘の強さは本物や」
「東国の星が束になって急襲仕掛けてもやな」
「勝てる」
絶対にという言葉だった。
「そうなる、そやからな」
「わし等はわし等の戦をするか」
「そうしていこうな、横須賀とか鎌倉も取って」
「横浜もやな」
「あと当然川崎、小田原もや」
中里は鵺に笑みを浮かべつつ話した。
「相模はほんま東国ひいては日本でええ場所が揃ってる」
「相模一国で相当なもんやな」
「武蔵と並ぶ東国の要だけあってな」
実際にそうなっている、相模はこうした街々の存在で東国の工業や商業の重要地となっているのである。
「あそこを手に入れるとな」
「ほんまにやな」
「大きい」
まさにというのだ。
「そやからな」
「あそこをやな」
「手に入れていくわ」
「そして海を渡ってやな」
「ああ、上総と下総もな」
相模から見て対岸にある国々にもというのだ。
「兵を進めるで」
「そしてさらに相手の国力を奪っていくか」
「僕が率いる軍勢はそうした戦略や」
「妥当な戦略やな」
「そやろ、芥川も考えてるわ」
「わし等はそうして攻めてあの旦那は武蔵つまり江戸を目指す」
彼の軍勢はというのだ。
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