八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百五十六話 教会の中その七
「うちもお母さん強いから」
「そんなにですか」
「お父さんが会長さんだけれど」
男の人がだ、天理教の教会の多くは男の人が会長さんではある。
「けれどね」
「奥さん、千里さんのお母さんがですね」
「かなり強いの」
「そうなんですか」
「お父さんいなくてもお家も教会も動くから」
「えっ、そこまでなんですか」
「そうなの、お父さんが一月位いなくても」
それ位教会を空けていてもというのだ。
「大丈夫だし」
「一月おられなくてもですか」
「そうなの、おぢばの方にご用があっても」
それで教会を開けていてもというのだ。
「普通にね」
「やっていけるんですか」
「何でもかんでも仕切れるから」
奥さん、つまり千里さんのお母さんがだ。
「だからね」
「この教会もやっていけますか」
「天理教は本当に女の人が強いの」
そうした宗教だというのだ。
「土台と言われる位に」
「土台ですか」
「これ以上はないまでにしっかりしたね」
そうしたものだというのだ。
「女の人はそうなるべきって言われてて」
「実際にそうした人が多いですか」
「そうなの、それでお母さんもなの」
「しっかりしておられますか」
「私もそうなりたいって思ってるわ」
千里さんは友奈さんににこりと笑ってお話した。
「是非ね」
「そうなんですね」
「伏せ込んでね」
仏教で言う修行、それを行ってだ。
「そう考えてるわ」
「この教会をですね」
「しっかりとやっていこうって」
「そこまで考えておられるんですね」
「お婿さんも迎えて」
「やっぱりご主人は必要ですか」
「夫婦揃ってだから」
ここでまたおみち、天理教の言葉が出た。
「だからなの」
「ご主人は必要ですか」
「男の人がすべきことも多いから」
「そこは男の人、ご主人がされてですね」
「うちだとお父さんね」
つまり今の会長さんだ、お髭を生やしたダンディな人だ。
「お父さんがいないとってことも多くて」
「そちらはお父さんがされてですか」
「お母さんはしっかりとお家を守ってくれて」
「教会のこともですね」
「切り盛りしてくれてるの」
「そうして教会をしていかないといけないんですね」
「だから私もね」
千里さんご自身もというのだ。
「お婿さんを迎えてその人に会長さんになってもらって」
「それで千里さんは奥さんになられるんですね」
「そうなの。三人姉妹の長女だから」
だから教会を継ぐことになるというのだ。
「妹達もそれぞれ別の教会に嫁ぐかも知れないけれど」
「千里さんの妹さん達はどうした方々でござるか?」
マルヤムさんは千里さんに妹さん達のことを聞いた。
ページ上へ戻る