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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十五話 天理教の教会その十二

「刀とか拳銃はまた別だよ」
「規制されて然るべきね」
「うん、本当にね」
「凶器だから」
「まだ忍術とかは悪用出来てもね」
 例えそれでもだ。
「ボクサーが皆危険物を持っているか」
「そうとも限らないわね」
「暴力的な人でもね」
 そうとも限らない。
「だからね」
「そこは違うわね」
「まだね」
 こう友奈さんに話した。
「格闘技とかは」
「要は心を鍛えること」
「それをする人がね」
「そういうことね、しかし本当に」
「本当に?」
「武道も格闘技もね」
 ひいてはスポーツの全てがだ。
「心も鍛えるものだね」
「健康な肉体と作って」
「健康な精神も作るものだよ」
 その両方をだ。
「武道をしていても人格が悪いとね」
「武道をする意味がないわ」
「本当にそうね」
「忍術でもそうだよ」
「心がしっかりしていないと」
「意味はないよ」
 する意味がだ。
「忍術も悪用すれば泥棒にもなるし」
「そう、忍術は忍ぶでこざるから」
 マルヤムさんも答えてくれた。
「だからでござる」
「忍び込んでね」
「お家の中等に」
「泥棒も出来るね」
「実際にそうした任務も多かったでござるな」
「そうだよ」
 実際にだ、忍者が敵の屋敷に忍び込んで陰謀の証拠を盗み出して届けるというのは時代劇でもよくある展開だ。
「実際盗人になった忍者もいたし」
「石川五右衛門さんでござるな」
「あの人元々は伊賀忍者だったから」
 それが抜けてああなったらしい。
「そう思うとね」
「まことに悪用は危険でござるな」
「柔道も畳の上で投げるけれど」
 その上で行って投げられた衝撃をかなり殺しているのだ。
「床の上とかで投げたら」
「それは死ぬでござるな」
「下手をしたらね、それを剣道で受け身を知らない生徒にした先生もいるし」
 そうした学校の先生が実在するのが怖い。
「これ本当に下手したら」
「その生徒さんは大変なことになっていたでござるな」
「受け身を知らない相手に床の上でだからね」
 背負い投げを仕掛けたのだ。
「こんなことする人に武道の心得なんてないよね」
「絶対にないでござる」
 マルヤムさんは厳しい顔で言い切った。
「暴力そのものでござる」
「こうした人になりたくないよ、僕は」
 間違ってもだ、人間として最低だと思うだけに。そんな最低だと思う人間にどうしてなりたいと思うだろうか。
「何があっても」
「拙者もでござる」
「しかもこれ剣道だからね」
 何か乱取りか面取りとかいう稽古があってそこでは相手の面を取るらしい、それで棒倒しみたいにラフなものになるという。 
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