夢幻水滸伝
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第五十三話 東国その六
「どう戦うかをお話しましょう」
「敵はもう攻めて来るぜ」
有島は関西の彼等のことを話した。
「境にもう二十万の兵が集まっているしな」
「おそらく今すぐにでもです」
宮子は生真面目な声で有島に続いた。
「あちらの星の方々が率いて侵攻してきます」
「二十万に何十人もの星の者達」
宮沢は腕を組み関西の者達のことを話した。
「強いですね」
「しかも相手には神星が三人だ」
日毬もこの現実を言った。
「かなりの強さだ」
「相手にとって不足なし、いや」
「そうだ、我等は相当に上手に戦わないとだ」
「勝てる戦じゃないな」
「その通りだ、どの神星の者も尋常な強さではない」
それこそというのだ。
「普通に戦っては勝てないぞ」
「ああ、じゃあな」
「策はあるな」
「おいら達が分散しては負ける、だからな」
「ここはか」
「九人全員で戦うんじゃ」
幸田は笑って日毬にそして東国の他の星の者達に話した。
「そうして戦えば勝てる」
「二十万の兵、二十七人の星の者達がいる関西にだな」
「そう、各個撃破よ」
この戦術を採るというのだ。
「ここはな」
「敵の軍勢を各個にか」
「破るのよ」
「敵は三方から来ます」
千歳も関西の動きを読みつつ述べた。
「越後、甲斐、そして駿河から」
「もう兵がそれぞれそこに集まってるからな」
有島は千歳のその言葉に応えた、隣同士の席だが大きさが実に対象的だ。
「それは間違いないな」
「ええ、確実にね」
千歳は有島にも応えて述べた。
「そうして攻めてくるわ」
「そうだよな」
「ただ、星の人達はね」
どうかとだ、千歳は彼等の話もした。
「それぞれね」
「分散してるわね」
宮子が千歳に応えた。
「それぞれの軍勢を率いる為に」
「その二十万の兵自体も」
「二十万は私達より多くても」
「それぞれのところに分散されてるから」
それでというのだ。
「十四万の兵でも集中的に運用すれば」
「勝てるわね」
「ただ、兵を素早く移動させるには」
宮沢は難しい顔になって千歳に言った、言葉には仙台の訛りがある。
「それにはな」
「ええ、私達にはね」
「術を使える人間が少ないべ」
「それが問題よ」
「そうだべな」
「どうにもね」
「おいら達は動けるだろ」
幸田は話す彼等に言った。
「そうだろ」
「ああ、そういうことね」
幸田のその言葉にだ、最初に応えたのは武者小路だった。笑って応えているのにその感情が出ていた。
「あたし達は違うわね」
「九人位ならじゃ」
「すぐに動けるわね」
「まさに自由自在じゃ」
「つまり自分達が一気に動いて」
遠藤もここで言った。
「敵の三つの軍勢を各個に攻めていく」
「そうすれば勝てるな」
「ええ、しかしね」
「問題は誰を狙うかよ」
幸田は笑って言った。
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