八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十四話 青い空その十三
「良心がない、どんな悪いことをしても平気とでござる」
「思われるんだね」
「そうでござる、信仰が違っても」
俗に異教と言う。
「それでもでござる」
「まだいいんだ」
「あくまで最高はイスラムでござるが」
しかしというのだ。
「そうでなくてもでござる」
「信仰があるといいんだね」
「だからでござるよ」
「天理教でもだね」
「いいでござる」
そうした考えだというのだ。
「ただ、お邪魔しても」
「手を合わせることはね」
「しないでござる」
それはないというのだ。
「拙者は」
「やっぱり信仰が違うから」
「そこは守るでござる」
何としてもという返事だった。
「そういうことでござる」
「じゃあそのうえで」
「同行させてもらうでござる」
「それじゃあね」
「三人ね」
友奈さんは僕と僕達の隣に来たマルヤムさんを見て言った。
「これから行くのは」
「そうでござるな」
「何か今日は三人一緒ね」
「縁でござる」
マルヤムさんは笑って友奈さんに返した。
「これもまた」
「そうね、じゃあその縁で」
「天理教の教会に行くでござる」
この三人でとだ、マルヤムさんも応えた。
「そうするでござる」
「学園の教会もそうだけれど」
僕はそのマルヤムさんに笑顔で話した。
「キリスト教の教会とはね」
「全く違うでござるな」
「ああした西洋じゃなくてね」
「日本でござるな」
「屋根は瓦でね」
このことは天理教の関連施設は大抵だ、おぢばつまり天理市にあるそれぞれの大教会の詰所の屋根もそうなっているところが多い。
「中身もね」
「和風でござるな」
「そうしたことは知ってるよね」
「中は入ったことがないでござるが」
「学校の中にも教会あるしね」
「瓦の屋根は知っているでござる」
「そのことはね」
「覚えておくでござる」
こう僕に答えてくれた。
「そして今日は」
「教会の中もね」
「見させてもらうでござる」
こう話してだ、僕達は八条荘を出て天理教の教会に向かった。この日も何だかんだ色々とある一日になっていると思いながら。
第百五十四話 完
2017・9・1
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