| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百五十四話 青い空その九

「苦手で頭が上がらないんだ」
「何かヤンチャ坊主と何処かのお師匠さんみたいね」
「そんな感じかな、あと親父はあれで信仰も大事にしてて」
「天理教よね」
「教会は結構真面目に通ってて」
「義和もなの」
「連れて行ってもらってたよ。そういえば」
 ここで僕は気付いたことがあった、それでしまったという顔になってそのうえで友奈さんに話をした。
「最近そっちもね」
「教会の方もなのね」
「行ってなかったよ」
「この町の教会よね」
「八条分教会ね」
 八条家の人は皆この教会の信者さんだ、親父もそうだ。
「あそこにね」
「最近はなのね」
「行ってなかったよ」
「じゃあ」
「今日まだ時間あるし」
 しかもこの八条荘から近いからだ。
「行って来ようかな」
「そうね、じゃあね」
「ちょっと行って来るよ」
 まだ一時位だ、時間はかなりある。
「そうしてくるよ」
「時々お顔を出さないとね」
「そうした場所はね」
 神社でもお寺でもだ、こうしたことも人生の勉強だと中学の時に先生に言われた。神様や仏様がいる場所に行って神仏の存在を感じ取ることも。
「そうしてくるよ」
「お父さんはそうした場所にはなのね」
「行くの抵抗がなかったんだ」
「そうだったの」
「その時は忙しくない限りは」
 本当にそうでもなければだ、今はイタリアのキリスト教の教会に行ってキリスト教のことを観ることもしているらしい。
「行ってたよ」
「そうしたことは真面目なのね」
「子供の頃からね」
「出来た人ね」
「まあね。人として外したらいけないことは外してないよ」
 このことは絶対にだ。
「そうした人だよ」
「いつもお話してるみたいに」
「破天荒でもね」
 そして傾いた生き方をしていてもだ。
「抑えるところは抑えているから」
「人として」
「遊んでも彼氏持ちの人は相手にしないし」
「相手が黙っていても」
「親父そういうのわかるんだ」
「どうしてわかるの?」
「何でも目とか気配でわかるらしいんだ」
 親父が言うにはだ。
「そうした人って目でわかるってね。それで小学生の時から」
「小学生の」
「うん、親父そうした人はわかるみたいだよ」
「目でなの」
「目は嘘を言わないそうだから」
 実際そうだと思うけれど親父は確実にわかるとのことだ。
「顔や口では言えてもね」
「目ね」
「親父このことも総帥さんに言われたらしくて」
「小学生の頃に」
「そう、子供の頃にね」
 それこそ物心ついた頃に言われてそれからずっとその人の目を見ているらしい。そうすればその人の嘘がわかるとのことだ。
「それで診察もしてね」
「遊ぶ時もなの」
「相手の嘘を見抜いて」
「それで遊んでるの」
「相手がいる人には手を出さないから」
 それが親父のポリシーだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧