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雨降り小僧

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第四章

「変なお客さんにも注意してね」
「最近多いですからね」
「モンスタークレーマーとかモンスターペアレンツ」
「柄の悪いお客さんもいますけれど」
「そうしたお客さんも多いですからね」
「そうしたお客さんが来たら」
 その時のことも言う紗菜だった。
「私に言ってね」
「店長さんにですね」
「そうしたらいいですね」
「もうそうしたお客さんはね」 
 それこそというのだ。
「本社に連絡しないといけない場合もあるから」
「八条寿司のですか」
「そこにですか」
「あまり酷いと大阪支社からクレーマー担当の人が来るから」 
 まさにそれ専門の人がというのだ。
「安心してね」
「店長さんが呼んでくれるんですね」
「そうしてくれるんですね」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「そうしたお客さんにも注意してね」
「わかりました」
「そうさせてもらいます」
 店員達も素直に答えた、そうして仕事がはじまった。とはいっても平日だったのでお客さんは休日よりも流石に少ない。
 それで仕事は昼になるまではそれ程忙しくなく昼になってそこそこになった。
 そして昼過ぎにだ、若い正社員の女の子の店員が紗菜のところに来て怪訝な顔でこう言ってきた。
「あの、ちょっと」
「どうしたの?」
「変なお客さんが来たんですが」
「クレーマー?それともヤクザ屋さん?」
「いえ、どっちでもない感じなんですが」
 その店員は紗菜に怪訝な顔のままで話した。
「ちょっと本当にです」
「変なお客さんなの」
「カウンターの三番席におられますが」
「そうなの」
「ちょっと見てくれます?」
「ええ、わかったわ」
 紗菜は店員の言葉に頷き店内の状況のチェックも兼ねてその客、カウンターの三番隻を見た。するとそこには。
 髷の子供がいた、江戸時代の男の子の髪型だ。服も子供で顔立ちも同じだ。それで横に被る傘やはり江戸時代のそれを置いているが。
 その客を見る紗菜に後ろからだ、店員は彼女に尋ねた。 
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