レーヴァティン
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第五十五話 歌での戦いその三
「ああした軍隊であるべきだよ」
「強くて規律も厳しい軍隊か」
「あそこまでそうだったら」
「一番いいか」
「もう日本軍は凄かったから」
淳二は第二次世界大戦までの自分達の国の軍について憧憬の念さえ込めて話した。
「滅茶苦茶強くて軍規軍律だってね」
「恐ろしいまでに厳しかったな」
「だから悪いことも殆ど起きなかったし」
このことでも有名である、何しろ最大の不祥事が残飯の横流しだった位だ。
「それでだよ」
「日本軍か」
「理想とするならね」
「そうか、理想にしてもな」
「高いかな」
「高過ぎるだろ、日本軍っていったらな」
久志もその日本軍のことを知っていて言うのだった。
「もう強さも軍律の厳しさもな」
「桁が違ってたね」
「俺のひい祖父ちゃん戦争に出たけれどな」
「そんな話してたんだ」
「俺が小学生の時に酒飲みながら笑って死ぬまでな」
まさにその時までというのだ。
「日本軍の強さと厳しさ言ってたぜ」
「相当だったって」
「ああ、それこそ自衛隊なんてな」
今の日本の軍隊と言っていい組織はというと。
「ぬるいってな」
「それでそこまでだよ」
「強くて軍律は厳しくか」
「そうしていくべきだよ」
「出来るか?あそこまでは」
「なろうと思ってなる、じゃない」
淳二は久志にここでも笑って話した。
「そうじゃない」
「なろうと思ってか」
「そう、目指してこそね」
「なれるものだからか」
「だからね、おいら達もね」
「あそこまで強くて規律正しい軍隊を目指してか」
「作ろうと思うことだよ」
まずはというのだ。
「そうしてね」
「作り上げるべきか」
「目指していこうね、いいね」
「ああ、それじゃあね」
久志も淳二のその言葉に頷いた。
「旗揚げしたらな」
「軍隊はね」
「もう徹底的に強くて軍律も厳しくしてな」
「本当に強い軍隊にしようね」
「さもないと統一して世界を救うとか無理だな」
そこまでの軍隊でないと、とだ。久志はここで述べた。
「考えてみれば」
「そうだね、さもないと戦争に勝って民衆の支持を得るとかね」
剛も言ってきた。
「無理だよ」
「だよな、島を統一して世界を救おうと思ったらな」
「そうした軍隊でないとね」
「無理だな、じゃあな」
「そうした軍隊にしていこうね」
「淳二の言う通りな」
「最初から人を選んで」
将兵にする者をとだ、剛は話した。
「健康でしかも品行方正」
「そんな奴を選んでか」
「そこから鍛えていくんだよ」
訓練、軍規を叩き込んでいくというのだ。
「それが一番だよ」
「まさに日本軍の様にか」
「ああした感じでね」
「やっぱり日本軍が理想か」
「だって桁が違ったからね」
剛もこう言うのだった、それだけ日本軍が強く軍規軍律が徹底して行き届いていた軍隊であったとだ。
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