八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十三話 最後のお素麺その九
「それでござるが」
「実用的で動きに無駄がない」
「地味と言えば地味でござるが」
それでもというのだ。
「使える格闘技としてでござる」
「骨法をやっているんだ」
「忍術部ではそうでござるよ」
「あれは僕も聞いてるけれど」
骨法、この格闘技についてはだ。
「強いって聞いてるよ」
「拳は使わないある」
「掌底だね」
「それでござる」
「無駄のない動きで敵に接近して戦う」
「そうした格闘技でござる」
「そう思うとね」
骨法のその格闘スタイルから考えてだ。
「忍者に向いてるね」
「そうした格闘技でござるな」
「僕もそう思うよ」
「アメリカの忍者道場の格闘術は派手と聞いているでござる」
そちらはというのだ。
「しかし我が学園の忍術部はでござる」
「違うんだ」
「実用的でござる」
「まああっちの忍術道場は」
僕はマルヤムさんにアメリカの忍者道場について話した、どうも誤解が多いらしいその道場について。
「日本人じゃなくてね」
「外国人がでござるか」
「勝手に忍術の起源を主張して」
そのうえでだ。
「我が国が本当の起源っていってね」
「やっている道場もあるでござるか」
「日本の忍術は偽ものだって言ってね」
「いや、それは違うでござるよ」
マルヤムさんは今の僕の話にすぐに反論した。
「忍者は紛れもなくでござる」
「日本のものだね」
「そうでござる」
「武士や力士と同じだよね」
「ひいては剣道や柔道、空手と同じく」
忍術はというのだ。
「日本のものでござる」
「普通はそう言うけれどね」
日本でも大抵の国でもだ。
「それでもね」
「そうしたことを言う人がでござるか」
「いる国の人達もいて」
「そしてでござるか」
「アメリカで道場も開いているんだ」
自分達こそ本物の忍者と主張してだ。
「あれな話だよね」
「かなりでござるな」
「それでそうした忍術はね」
世界中から人が集まる八条学園でもこうした話があった、忍術にしても剣道にしても他の武道ひいては日本文化全体でだ。中には折り紙でもそうした話があったからびっくりする次第だ。
「わかるよね、起源って言っても」
「実際は違うでござるな」
「日本だから」
忍術も他のそう言われていることもだ。
「だから本物じゃないから」
「本来の形とは違うでござるな」
「インチキだからね」
僕はここでははっきりと言った。
「動きも派手で」
「本来の忍術とはでござるな」
「違うよ」
「困ったことです」
畑中さんも言ってきた。
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