八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十三話 最後のお素麺その六
「そうよね」
「どう考えてもね」
「そんなものを毎日千回二千回と振ってるから」
「畑中さんって凄いよね」
「何十年も毎日だから」
それこそ一日も休んだことがないらしい、何しろハウステンボスに旅行に行った時も毎朝振っておられた位だ。
「凄い鍛錬だね」
「本当に」
「しかもそこにスクワットもだから」
そのとんでもない素振りに加えてだ。
「千回二千回もだから」
「凄いわ」
「このお歳でね」
「そうしたことが出来る為には」
友奈さんはここでまたトマトを見た、マルヤムさんも僕も食べているし他の人達も同じだ。
「それこそね」
「トマトもね」
「食べることね」
「やっぱり身体にいいものをバランスよく食べる」
僕はここでこの言葉を思い出した。
「それも沢山ね」
「そこからね」
「それで毎日続けていたら」
「出来る様になるわね」
「どんなスポーツもね、ただ」
ここでだ、僕はあることを思った。それで畑中さんご自身に尋ねた。
「畑中さん程身体を動かしていれば糖尿病にはならないですね」
「血糖値については大丈夫です」
畑中さんご自身がお話してくれた。
「それは、しかしですね」
「スポーツ選手って何か」
意外だとは思うけれどだ。
「痛風なってません?」
「そうですね」
「さっきの身体にいいものを沢山って言ったのは金田正一さんですけれど」
「痛風になっていたというお話がありますね」
「はい、米田哲也さんも鈴木啓示さんも」
こうした三百勝以上を達成した人達もだ。
「痛風でしたよね」
「そう言われていますね」
「やっぱりこれは」
「ビールでしょうね」
また畑中さんが答えてくれた。
「そしてお肉です」
「お野菜を食べていてもですね」
「水分を多く摂らず」
スポーツ選手はとにかく汗をかく、だからこそ普通の仕事の人よりも水分を多く摂らないとだ。お水とかを飲めばそれだけ体内の水分も多くなるし血も奇麗になる。水は本当に有り難いものだ。
「その代わりにビールとなりますと」
「危ないですね」
「はい、そのせいかと」
「ビールは危険ですか」
「金田さんはお酒はあまり飲まれなかったそうですが」
「あの人は汗相当かいてましたね」
スポーツ選手の中でもだ。
「とんでもない練習をしていて身体を冷やさずに」
「はい、夏でも袖の長いシャツを着て寝られていたとか」
所謂ラクダのシャツをだ。
「その分発汗量は尋常でなかったでしょう」
「その分の水分をですか」
「多く摂られていたとは思います」
身体に気をつけていたことは間違いない、このことについても尋常な人でなかったという。
けれどそんな金田さんでもだ。
「汗の量はご自身の予想以上で」
「それで、ですか」
「痛風にもなられたのでしょう」
「そうだったんですか」
「栄養摂取と共にです」
「水分の摂取も大事ですね」
「はい、私もです」
畑中さんにしてもだ。
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