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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十二話 あと二日その十五

「それ位かな」
「もう夏も終わりでござるな」
「今は三十日だから」
 八月のだ。
「本当に終わりかけだよ」
「日本では九月からが秋でござるな」
「大体ね」
 そうなる、二学期から秋というのは日本人の中に染み付いている季節の間隔と言えるだろうか。
「そうなるね」
「では本当にでござるな」
「お素麺もね」
「そろそろ終わりでござるな」
「そうなるよ、ただ」
「ただ?」
「今八条荘にどれだけの人いるかな」
 僕はここでこのことも思った。
「一体」
「かなりの人が出ているでござるな」
「遊びとか部活とかね」
「あとそれぞれの用事で、でござる」
「そうだね、だからね」
 僕達は今は八条荘にいるけれどだ。
「今八条荘にいる人は」
「少しだけでござるな」
「お昼どうなるかな」
 夜になれば皆いるけれどだ。
「一体」
「お素麺でござるか」
「若しくは」
 あまり人がいない場合についてもだ、僕はマルヤムさんに話した。
「もっと簡単なものになるかもね」
「簡単なものでござるか」
「遊びとかに出た娘達にお弁当を持たせているから」
 八条荘ではそうしている、こうしたところも下宿している娘達への福利厚生ということになるだろうか。
「それの残りかな」
「そうなるでござるか」
「どうなるかな、まあね」
「お昼になればでござるな」
「その時にわかるよ」
 こうマルヤムさんに話した、そのうえで僕は今は夏の終わりの庭を見ていた。日差しはまだ強いままだった。


第百五十二話   完


                  2017・8・17 
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