妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
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第8話 強くする理由と、新しい目標
前書き
投稿を遅れてすみません…いや、本当かかったなぁ…。一応明日には投稿しますので勘弁…あ、ハイ。
ちょっと修行編を突入したかったけど、ちょっと飛ばした(いつもの如く)
時間があったら番外編で入れる、必ず(いつやるかは言っていない)
では、第8話をどうぞ!!
「ハァ…!ハァ…ッ!!」
「ほーれ、まだ一周終わってないんじゃ、それぐらいでへばっていたら強くなるのもまた夢の夢じゃぞー」
「ハァーッ…!ハァーッ!!」
どうも、レッドです。帽子の似合うレッドじゃないデス(現実逃避)
やばい、やばい。
なにがやばいって?気が付いたら修行させられて、予想外にも辛かった。
――――――ウォーロッド・シーケン。聖十大魔導の1人であり、イシュガルの四天王の1人だ。
序列4位…魔法は植物を自在に使える自然…あ、緑?の魔法だ。
何故、オレが今この木人間みたい最強の老人の1人に鍛えられているのかというと、丁度1ヶ月前に遡る。
◆◆◆◆◆◆
「私にはな、昔サイヤ人の友人が居たんじゃ」
そうオレに説明するは目の前の老人。
最初は冗談を言うことが多くて反応に困ったのだが、やっと本題に入った。
ツッコミ役?居なかったよ…。
そして、マスターからの用事はこのウォーロッドさんとの打ち合わせだったらしく、マスターの紹介で会うはずだったらしい。
それが何故ウォーロッドさんがオレのマイホームからオレを強制連行するハメになったというと、それは次の日にマスターと評議員の会議が急に入ったみたいで、マスターがオレを紹介することが無しになったみたいだ。
そしてウォーロッドさんはマグノリアの近くに居たから、「マカロフ君が忙しいなら、今近くにいる私から直接迎えに行こう」と、とても気軽な様子でマスターにオレの家の鍵を預かり、オレの家の中でオレの帰りを待っていた。
そこからオレの自宅で普通に説明してくれたら良いものを、それをせずにこの木族老人は家にウォーロッドさんへの評議員の使いが来たことでオレを強制で、そして植物を自在に、早く移動したことでオレを無理矢理ジェットコースター紛いな体験をさせられた。植物の上で。初体験だった…。
そしてオレを鍛えるという理由だが――――
「サイヤ人の友人?へー…、どんな奴なんですか?強いんですか?」
「わはははっ、弱かったぞ!」
「………」
なんだろう、背中から力が湧いてくる。今なら何かができる気がするぞ(ゴゴゴ)
「と、いうのも冗談じゃがな!!わはははっ!!ぷふっ!!わははははっ!!!」
知っているよ(威圧)
「いや、すまんすまん。久しぶりのサイヤ人、しかもいい子が居るものでつい冗談が出ちゃうんじゃ、悪いなぁ」
「イエ、ダイジョウブデス」
落ち着け、ここはクールになるんだオレ。例えここで覚醒とか、何かができるとしても怒るべきではない。
「さて、私の友人、サイヤ人についてじゃったな…。あいつは…、強かったぞ」
「強かった、か…どれぐらいなんだ?同じサイヤ人としてとても気になる」
過去形に言っているが、そこは聞かない方がいいのだろう。
シリアスなことは聞かないのが一番。それは仲が深まってからがいい。
それにあまり知り合っていない相手に自分のことを教えるっていうのに抵抗もあるし。オレもある。
まぁ、同じサイヤ人の力は本当に気になるから聞いてみたけど、どうだろう…大丈夫か…?
「わははっ、あいつの強さに敵う魔道士がいるかいないかだったからのぅ…。ある10年クエストを達成出来なかったが、全盛期だった妖精の尻尾を作った、私ら創期メンバーが全員かかっても敵わなかった」
話しているときのウォーロッドさんの顔は、オレの顔を見た後に、どこか嬉しそうに見える。話の内容じゃ負けていると言っているのに、それがどこか誇らしげに、安心しているような声音だ。
しかし、それ程強かったのか、ウォーロッドさんの友人のサイヤ人は。…あれ、最強じゃね?聖十大魔導の1人であるウォーロッドさんが全盛期…、そして前の妖精の尻尾のメンバーでも勝てなかったとか、凄えなぁ…。てかその時代にも10年クエストがあったのか。
「そして、強かっただけではなく…優しく、何よりも仲間思いのサイヤ人であった。メイビスや私らがあいつの力を信頼していた。あいつなら絶対に敗けないと、追い詰められたとしても必ず立ち上がってくれると、そう信じていた」
ふと、先ほどの安らかな顔から険しい顔へと変貌していた。いや、悔しいのか…?
「だからあいつが敗れた時は、本当に信じられなかった。…本当に」
「え…?敗れた…?」
話聞いている限り、その時は一番強いやつだと思っていたけど…もしかして、その次代の魔道士たちはめちゃくちゃ強いパターンだったりするのか…?
「――――すまないのぅ、詳しい話は、どうやら私は口を滑らせすぎたようだ。 時が来たらいつか必ず話す」
「あ…はい…」
ええ…シリアスモードを飛ばしたはずなのに…サイヤ人のキーワードは禁句だったん…?
「さて、君を強くする理由だったか。その理由はな」
「え、あ、うん。理由とはなんでしょ…うか?」
さっきの悔しそうな顔からすぐに爽やかな笑顔になった。もうなんなんだよ。どうしろってんだ…展開変わるの早いんだよ…。
「その理由はのぅ、君を私とコンビを組んでもらうための修行じゃ!」
「は、え?コンビ…?オレと聖十大魔道の四天王と呼ばれているウォーロッドさんが…?」
「ウム、それはずばり!」
「え、え…?ず、ずばり…?」
混乱して頭が正常に…ウゴカナイ。え、コンビってなんなんだよ。オレって聖十大魔道にまだ勝てねえはずだけど…え、ええ…?
「――――お笑いコンビじゃァッ!!」
「――――ファッッ!!?」
予想外すぎるキーワードがウォーロッドさんの口から飛び出てきて思わずソファーから倒れてしまう。
いやしょうがねえだろ。どうしろってんだよコンビ。なんか戦闘のコンビかと思いきやお笑いコンビって、笑えねえよ!?
「わははははははっ!!プフゥッ!!!わははははははっ!!冗談ッ!!冗談じゃ!冗☆談☆!!」
「またかよ畜生ォオオオオオオッ!!?」
もうやめてくれない!?おい笑うな!!笑いすぎてんじゃねええええ!!どこに笑う要素あったんだよおおお!?これならオヤジギャグの方がまだマシじゃねえかァァァアッ!!
「さ、さて。本当の理由はな?」
「震えてんぞ声…畜生め…」
どうやらソファーから転けたことが面白かったらしく、今でも笑いこらえている…。この野郎…。
「コホン!あー、理由はのぅ…私の勝手な理由なんじゃ」
…今度こそ本当そうだ。じゃなかったらもう帰るぞ、マジで。ラクサスをS級のクエストに連れて行かなきゃならんし。
そうして、姿勢を正してこちらを向き直る。どうやら真剣なようなのでオレも姿勢を正してウォーロッドさんを見つめる。
「――――強くなった君に、ある依頼を頼みたい」
「…ある依頼?」
ウォーロッドさんが首を頷く。
「その依頼は、未だに誰も為し遂げていないクエスト、我が友でさえ果たせなかったクエスト――――」
次の言葉を聞く前に、察した。察してしまった。
何故なら、目の前に居る老人の友人であったサイヤ人でさえ達成できなかったクエスト…
「――――そう、100年クエストじゃ」
…あれ、10年じゃ?え…
「…はあああああああ!!!?」
◆◆◆◆◆◆
と、いうわけで修行しています。え?断ればいいじゃないかって?強くなるチャンスだぞ?やらないわけにはいかないじゃないか!!!!
…誰と話しているんだろうオレ…。もしかして前に届いた電波の人に届けてるのだろうか…ならば届いてくれ、そして忘れないでくれ。オレという男を…。
「なーにボーッとしているんじゃ。君はここでへばるような男じゃないんじゃろ!!さぁ、次はこの樹から抜け出してその樹と今身についている重りごと全力移動じゃァ!!そのままだと夕御飯食えないぞっ!!」
「オ、オオオオォオォオオォォォオッ!!」
そうしてオレは、とにかく重い装備(ウォーロッド老人製)とオレが抜け出せていない硬い樹(ウォーロッド製)から気合で抜け出せなければならない。じゃないと飯が食えない、それはダメだ。
全身から白いオーラが漏れる。これでこの樹から抜け出そうとするがまだ力が足りない。まただ。
「誰がそれをしていいと言った!?地力で、その力を出さずに抜け出せぃ!!」
「う、うおおおおおおおお、んおおおおおおおおぉぉぉおおおお!!!!」
――――夕飯のために、オレは今日も頑張る(これで31日目)
ちなみに、ウォーロッドさんから頂いたリクエストを果たせなかった場合は夕飯等はりんごだけになる。ヒドイ
◆◆◆◆◆◆
草原の上に、茜色の髪をした少年がうるさい寝息をして眠っており、その下はシーツがあったからか、その上で睡眠を取っている。
寝息を立てている少年の体は傷が多く見えており、包帯等が巻いてあるがそれでも明日になれば治る、少年自身も言っていたので少しでも傷はなくなるだろう。
そして、寝息を立てている少年のすぐ近くに、木で出来ている椅子に腰を掛けている老人――――ウォーロッド・シーケンが微笑みを浮かべながら寝ている少年と、星空を眺めていた。
その目に映っている少年からは面影を重ねるかのように見つめ、そして懐かしんで過去を思い返す。
――――100年前、尻尾が生えている友人が無邪気な笑顔を浮かべている。
もう20を超えているのにその笑顔はまだ子供で、純粋さがなくならない男だ。
その友人だけではなく、周りの者は皆は笑顔で満ち溢れており、友人の近くにいる妖精のような少女や、ワイルド風に見える男も、尻尾の生えている男と同じ様に無邪気な笑顔を浮かべていた。
その近くにいる右目に眼帯を付けている男もいつもの厳しい目線ではなく、優しい目でその光景を眺めており、木製のマグカップを片手に酒を飲む若かりし頃の自分はその和の仲で楽しそうに笑っている。
なんて、短い間だったのだろう。10年しか共に居られなかったが、それでも楽しかった。
その間戦争なんて物が4年間もあったが、6年間という中でいろんなクエストや冒険をしたりした。
周りにいる仲間たち、一緒に叩き抜けた戦友。馬鹿をしたり、笑い合える、家族のようなギルドの仲間たち。
今でもこの記憶は、自分が持つ宝箱のような記憶の一つ。例え100歳を超え、ボケる時が来ようとも、忘れられない素晴らしい記憶。
きっと、あの時にいた仲間達にも忘れられない記憶に違いない。死ぬ直前までに満足そうな顔の仲間たちも居たのだから。
1人だけ、闇に堕ちたであろう、誇りに思っていた友人が居るが、今ではもうコンタクトを取る術はない。
もう、彼とは昔のように過ごせないと思う自分がいる。が、それは、果たしていいのだろうか。
今ではマスターである三代目の男の父親だった友人は必ず、真っ直ぐに止めたりするはずだ。
あの妖精のようで、そして軍師として右に出るものがいなかった彼女も、説得を諦めないはず。
そして、誰よりも強かった男――――サイヤ人だった彼も、今の闇に堕ちた男と闘い、苦戦したりしても曲げたりせずに止めるはずだ。
なら、自分はどうするのか?
…その答えは決まっている。だからこそ、目の前で寝ている少年を強くさせるのに必要であり、クエストを達成してもっと強くなってもらわなければならない。
きっとそれは、これから必要になることだと信じているから。
「ああ――――**よ、私は、お前の言った通りにやれているのか…?」
虚空に問いかけるも、答えは帰ってこない。当然だ。死人には口無しという言葉がある。ならば、死人が返事するわけもなく、帰ってくるはずもない――――はずなのだ
気持ちよさそうに夢の中で彷徨っているだろう少年を眺め、ウォーロッドは可笑しそうに笑った。
どこまでも気持ちよさそうに眠る少年の前で、悩んでも仕方ない、と愚痴零しながら、ウォーロッドは次の日にどのように厳しくしようか、など呟いて少年にかける毛布を部屋へ取りに行った――――
◆◆◆◆◆◆
SIDE:レッド・パッペ
「どうじゃ、少しは近づいたはずじゃろぅ」
そう問いかけるウォーロッドさんに対して頷いて返す。
ここで修行して3ヶ月間だけだが、それでもだいぶ前より強くなっている。
何よりも舞空術をまさかのウォーロッドさんから聞き出せたことに対して驚きしかなかったが。
「友人にサイヤ人がいたから」で納得したオレもアレだが、まだ教えてくれないなら仕方ない。
いつか話すって言っていたし、まだその時ではないのなら待つしかないだろう。
「まだまだ私がしたかった強さではないが、まぁ良いところじゃないかと思う。いい線いってるはずじゃ」
どこか自慢げに言う老人の期待に答えられなかったのは申し訳ないが、いつか必ず強くなるつもりだから、だから
「今じゃないけど、必ず強くなってくるから、その時に例のクエストに挑戦するよ」
「――――ありがとう」
オレの言葉に嬉しそうに微笑むウォーロッドさん。
まだ今ではないが、ウォーロッドさんが言っていたクエスト、必ず果たそう。この恩を返せる限り強くならなくては、という思いと、もっと新しい高みに昇りたいという欲を持って、オレは妖精の尻尾へと帰りに足を運ぶ
「世話になった。次は美味しいものを持ってきます」
「わははっ、それは楽しみじゃ!!」
そうして、長くて早い修行が終わったのである。
後書き
うん、なんたかコレジャナイ感。ウォーロッドの喋り方これでいいのか…?と恐る恐る書いたけど…まだ微妙そうだなぁ…。
あと、仲間を看取ったようなウォーロッドさんは、100年長生き生きているから妖精の尻尾で仲間が寿命で亡くなったりする時に看取っているというのは、この作品でのオリジナルです。
多分これからもそういう感じにオリジナルを入れると思います。
↓唐辛子の修行内容。
唐辛子の修行→樹(ゴットセレナが不意打ちされたアレ)に囲まれる。ちなみにノー魔力(気)で力づくで抜け出せ→木製でできた重り(トン)をつけての生活(亀の仙人…?遠いところだよ…)。ウォーロッドをその重りの状態のまま手合わせ(ウォーロッドのみ魔力OK)→舞空術をウォーロッドから学ぶ→重りェ…。
…Oh…唐辛子…。
それと、アンケートですが、会員じゃない方は感想で大丈夫です。そこを踏まえて一票の内に入れておきます。
アンケートをちゃんと設定すればよかったですかね。次があったらちゃんとします…。
アンケートしてくれた方、ありがとうございました!色々と凄いのが来て心臓が痛くて喜んだ貝殻でした←
次はS級クエストで、ついに覚醒。何のS級クエストなのかって?…次回にお楽しみに!
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