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夢幻水滸伝

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第四十九話 軍師の傾きその十二

「出来る限りだな」
「無傷で手に入れてな」
「そこからすぐに豊かにさせていくな」
「そうするわ、とにかくな」
「今はだな」
「その用意や」
 東国との戦のだ。
「それもしてくわ」
「策も練っていくか」
「じっくりとな」
「では我々も、ですね」
 滝沢が畏まった態度で言ってきた。
「戦になれば」
「そや、戦ってもらうで」
「そして普段はですね」
「内政や」 
 そちらに頑張ってもらうというのだ。
「むしろこっちがメインや」
「わかりました」
 滝沢は畏まって応えた。
「それでは」
「その様にな」
「では我々はすぐにですね」
 最後に正宗が言ってきた。
「東国との境に向かいますか」
「いや、兵は移動させてくけどな」
「まずはですか」
「内政や、兵は東に集めるのはな」
 芥川はそれが何故かも話した。
「万が一に備えるのとな」
「東国が攻めた時に対してですね」
「そして圧力や」
 この意味もあると言うのだった。
「何もなくて外交は出来ん」
「軍勢をあえて見せてですか」
「そうしてな」
「戦をするよりはと思わせるのですね」
「そや、数に装備も見せてな」
 そうしてというのだ。
「相手がそれで戦う気なくして降ったらええやろ」
「戦わずして勝つだがや」
 坂口は芥川のその考えを今孫子の兵法から言った。
「それだがや」
「そや、戦うとこっちも傷付く」
「しかし戦わずしてだとだがや」
「お互いに無傷で済むからな」
「それが理想だがや」
「それでや」
 まさにその為にというのだ。
「軍勢は東国との境に集める、二十万な」
「それだけだがや」
「大砲やら銃やらも集めてな、そして水軍もや」
 吉川が率いるこの軍勢もというのだ。
「駿河の港まで移動させてな」
「そうしてだがや」
「圧力に使う」
 彼等もというのだ。
「そうするわ」
「陸と海でだがや」
「そうする、まあもっとも降らんやろな」
 芥川はこうも見ていた、東国について。
「連中はな」
「そう簡単にはだがや」
「ああ、連中も意地があるしそれなりに勢力があるしな」
「こっちに対抗出来るだけの」
「十四万の軍勢に星の連中が九人もおるんや」
 それだけにというのだ。
「まあ簡単にはや」
「ことは進まんだがや」
「そうや、けどどっちにしてもな」
 戦いになろうがなるまいがとだ、芥川は坂口達に語った。
「兵は東にやるで」
「まずはだがや」
「そうして内政も進めていくわ」
 これからの方針を話した芥川だった、東海北陸を併呑し西国と言われる地域を統一したが彼等の動きは止まらなかった。


第四十九話   完


                2018・1・8 
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