夢幻水滸伝
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第四十九話 軍師の傾きその七
「関西は器だがや」
「そうですね」
「天下、ひいては太平洋を統一して治める器だがや」
「ただ神星の方々が三人おられるだけではないですね」
「そうだがや、おそらく世界もだがや」
太平洋だけでなく、というのだ。
「統一して救う」
「そうした器だがや」
「左様ですね」
「それでわしが思うことにしても」
「では」
「わしはあそこまでの器ではないだがや」
「私もだ」
北陸の棟梁であり東海と同じになっている室生も言ってきた。
「関西には器で遠く及ばない」
「では」
「我々は負けた」
清々しい、もう何の未練もない声での言葉だった。
「戦以前に器でな」
「そうだがや、だからだがや」
「戦っても意味はない」
「兵や星の差以前の問題だがや」
器、それがというのだ。
「わしだったらだがや」
「この機に乗じて攻め込むことはしなくてもな」
室生が坂口に応えて言う。
「私もお主と同じだ」
「礼位はだがや」
「貰っていたな」
「巨人を倒した時の金の半分位はだがや」
「貰っていたな」
「若しくは尾張位はだがや」
領土を礼として貰うならというのだ。
「貰っているところだがや」
「私も同じだ、それ位は要求していた」
「そうだっただがや」
「しかし彼等は一切求めなかった」
そして実際に受け取ることはしなかった、最初から求めることはせず受け取ることもしなかったのである。
「それは立派だ」
「まさに器だがや」
「我々よりも遥かに大きいな」
「そうだがや、だからぎゃ」
「結論は一つだな」
「もう戦っても意味がないぎゃ」
「我々が日本、太平洋の覇者になるよりな」
室生も言った。
「それよりもだ」
「そうだがや、関西の方がずっといいだがや」
「では、だな」
「降るだがや」
坂口は一同を見回して言った。
「関西に、そして」
「これからは彼等と共にだな」
「戦って治めてだがや」
「この世界を救うべきだ」
「そうするだがや、それで皆に問うだがや」
坂口は室生とここまで話してだった、そのうえで今この場に集まっている東海北陸の星達に対して問うた。
「わしはもう関西に降るつもりだがや」
「そして私達はどうか」
「そうだがや、どう思うだがや」
自分の考え、関西に降りこれからは彼等と共に戦う考えについてというのだ、坂口は応えてきた雅にさらに話した。
「この考えについては」
「もう奇襲は通じないでしょう」
まずは自分の策からだ、雅は話した。
「既に見抜かれていた様ですし」
「それにだがや」
「今から我々は被害への復興にあたらねばなりません」
「その間に関西は万全の備えをしてだがや」
「我々が復興を整えたらです」
「すぐにあっちから攻め込んで来るだがや」
「もうそれではです」
そこまでになるからにはというのだ。
「最早です」
「奇襲は出来ないだがや」
「それでは我々の敗北は決定的です」
元々星の者や兵の数で大きく劣っていてというのだ。
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