ドリトル先生と和歌山の海と山
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第六幕その十一
「有名な真田丸でも活躍してね」
「その一瞬の戦いがあまりにも素晴らしくて」
「あまりにも格好良くて」
「歴史に残ったんだね」
「それも永遠に」
「そうした人だよ、日本人はその幸村さんを忘れていないんだ」
今も尚です。
「ヒーローとして覚えているんだ」
「そういうことだね」
「果敢に戦って果敢に死んだ」
「その幸村さんをね」
「忘れていないんだ」
「そう、十勇士達もね」
幸村さんに従って戦ったこの人達もです。
「忘れていないんだ」
「じゃあこのままずっと覚えていて欲しいね」
「日本の人達には」
「義に生き義に死んだ幸村さんのことを」
「その幸村さんにずっと一緒に戦った十勇士のことも」
「僕も忘れないしね、今度この人のことを英文で書いて」
そうしてというのです。
「イギリスの人達にも伝えたいね」
「日本にこんな凄い人がいた」
「そのことをだね」
「知らせたいのね」
「是非」
「そう考えているよ」
こう言うのでした、幸村さんがいた場所を見て。そうしてそのことをお話してからでした。先生は皆に今度はこう言いました。
「さて、いよいよね」
「うん、あそこだね」
「高野山に行きましょう」
「もうすぐだしね」
「高野山までは」
「そう、あそこに行こう」
今回の旅の最大の目的地のそこにというのです。
「これからね」
「いや、色々あったけれどね」
「もう何かとね」
「白浜にも行ったし和歌山市も行って」
「幸村さんの場所も見てるし」
「次はね」
「そう、あそこに行こう」
その高野山にというのです。
「いよいよね」
「そうだね、しかし高野山っていうのは」
王子はふと空気を感じました、そのうえでの言葉です。
「寒いんだろうね」
「ここよりもね」
「やっぱりそうだよね」
「高い山だからね」
そうしたお話を皆もしながらでした、高野山に上るのでした。
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