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IS~For the love & peace~

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4.Fの災難/飛び立つBuild

 
前書き
レイ「女性しか動かせないISの世界初の男性操縦者がついに発見された。古明地家の居候であるこの俺レイモンドもIS学園に入学することになってしまった」
千冬「まだ入学試験があるのだがな」
レイ「あれ?今回は千冬先生なんですね」
千冬「フッ。まあそういうことだ。入学はほぼ確定だがそう簡単に勝てると思わんことだ」
レイ「うわー、強キャラの雰囲気がめっちゃ出てらっしゃる。俺、結構平和主義なんだけどなぁ。ま、見ててくださいな」
千冬「ならばさっそく見せてもらうぞ。では第四話だ」 

 
 俺はとある駅のロータリにて参考書を読んで人を待っていた。ちなみに参考書の中身はIS学園の授業に使うものだ。千冬さんに読んどけって言われたのだ。てか待ってるのもあの人だ。とうとう、試験の日がやってきたのだ。この日のためにずっと温めてきた発明品を披露する日がやってきたのだ。他の先輩ライダーのパクリ開発品が多いが、この技術だけは俺のものだ。これは戦兎さんや束さんすらもこの技術を発見できなかった。まあ、法則がわかる今ならば簡単にやってのけられるのだが、やってはいない。あまりにも危険だからだ。
「うむ。集合時間前にきているとは感心だな」
 顔を上げると千冬さんがみおろしていた。あ、もう集合時間だったのか。
「どうもです。今日はよろしくお願いします」
「しかもすでに予習してるときた。生徒の鏡だな」
 ぶっちゃけ復習なんですけどね。束さんが東都にいるの知ってる人なんて俺らぐらいだからなぁ。ここは無難に流すか。
「何て言っても秀才物理学者なんで」
「…………なるほど。では行くぞ」
 なんか顔がそうかそうか君はそういうやつなのか、という顔をしている。そんなにキャラが濃い人がいるのか。学園には。大変そうだな。









「おぉ。結構広いんですね」
「世界から資金援助を受けているからな。これくらいの設備は整えないといけないのだよ」
 今は学園内を歩いている。それは当たり前なのだが、もう広いのなんの。本棚で軽く見たが数字を見るのと実際に歩くのでは違うということ話実感する。
「ついたぞ。ここが第三アリーナだ」
「今更ですけど、まさか千冬さんと戦うんじゃないですよね?」
「ほう。自信がないか?」
「いえ、試したいものも試す余裕がなくなるんで」
 この人が相手なんて勝ち目あるのか?いやでも現役を退いて、そこまでたってないな。勝ち目極薄だよ。
「安心しろ。私ではない。ピットまで案内するからついてこい」








「ここがピットだ。アリーナを使用する場合必ずここを使うだろうから覚えときたまえ」
 ほほーう。なかなか人数が入りそうだな。専用機持ちの人たちが試合をするときに関係者が入れるようにっといったところだろう。モニターもあるしわざわざ観戦席に行かなくともいいというわけだ。
「本当は私がお前の実力を見たかったのだが、ここでお前を見ていろという上からの指示がるからな。さて、お前には専用機がないからこちらから訓練機を貸すことになって「それについては心配無用です」?どういうことだ?」
 俺は懐から二つの穴とハンドルのついた赤と黒の機械を取り出す。
「専用機ならばここにあるので」
「なに!?」
「それじゃ、行ってきますんで千冬さんはゆったりとみててください」
 そう言ってアリーナへ出ると、そこには見知ったというか知っている顔がいた。
「久しぶりね。レイモンド君」
「あんたは確か……更識楯無」
 日本における暗部『更識』のトップにしてロシア代表。なぜ俺がこの人を知っているかというと東都政府に会議なのかは知らないが来たことがありその時に知り合った。それぐらいの関係だ。
「なるほど。ロシア代表か。千冬さんよりかはマシかな」
「それよりも。ISも纏わずにここに来るとはね。私もなめられたものね」
「おっと、そいつは失礼した。それじゃ」
 懐から再び例の機械を出し腰に当てる。すると自動で黄色いベルトが巻き付いた。
 それに併せてさらに右手に青の左手に赤のボトルを振る。
「それは、ビルドドライバー!?」
 戦兎さんにも束さんにもできてない俺だけの技術、それが『フルボトルの複製』だ。火星で発見された特殊な成分を複製することは可能なのかって?フフフ、可能なのだよ。この秀才物理学者にかかればね!

「さあ、実験を始めようか。っていったところかな?」シャカシャカシャカシャカ!ジャキン!



『Rabbit!Tank!』
 ハンドルを回す。回す回す回す回す回す。これ以上はやめとこう。ゲシュタルト崩壊しそうだ。ちなみにに俺のビルドドライバーにはベストマッチ判別機能は付いていない。もうあらかたのベストマッチは見つかってるからな。
『Are You Ready?』
「変身!」
 自分の前後に展開していた左右半身のパイプが合体した。
『鋼のムーンサルト!ラビットタンク!Yeah!』


「会長さん?呆然としてるところ悪いけど、行くよ!」
「っ!(まずい!)」
 ラビットの脚力で完全に不意をついたつもりだったのだがかわされた。
「今のをかわすあたりさすが更識ですね。一筋縄じゃいかなそうだ」
「生徒会長たるものこの学園の生徒の頂点に立っていなければならないもの。そう易々と勝てるなんて思わないことね」
「じゃあ、胸を借りるつもりで行かなくちゃあな!」
 このフォームじゃまずは近づかなくちゃ始まらない。そう思い近づくも、まだこのときの俺は更識という家を理解し切れてはいなかった。
(ラビットタンクフォームにはこれね!)
 会長は蒼流旋の武装の一つ『ガトリング砲』で扇状に放つ。
「っ!はぁ!」
 ラビットフルボトルの兎の『跳躍力』を生かしガトリング砲をかわし上から攻めようとするも、読まれていたのか主武装の槍の鋭い一突きが飛んできた。
「ぐあ!ちっ!読まれてた、いや誘導か!」
 ガトリング砲を扇状に放てば横に逃げ道はなくなる。跳躍力を生かして上に逃げ反撃の一手にする事を読み切っての一突きだったのだろう。
「なるほど、戦兎さんのビルドの戦闘データからある程度の対抗策は練れてるってことか」
「フフ、正解。東都の防衛手段とは言えども戦力は戦力。万が一の時のための対抗策がこんな所で役に立つなんてね」
 本当にその通りだ。まさかこうまでも対抗策が練られてるなんて誰が予想するだろうか。
 でも、
「それよりも、急な爆発にご注意を」
 もう一度配管工もびっくりなジャンプを繰り出す。そして先ほど俺がいた範囲が爆発を起こした。
「うそ!?『熱き情熱(クリア・パッション)』をかわされた!」
「生憎、情報を得られるのは更識だけの特権じゃない」
 更識はなんといっても国の裏だ。情報網は侮れない。だが俺には地球の本棚(ほしのほんだな)がある。こいつがあれば俺の情報網は無限だ。
 『熱き情熱(クリア・パッション)』。彼女の専用機『霧纏の淑女(ミステリアス・レディ)』に搭載されている『アクア・クリスタル』から構成されるナノマシンの水を霧状に散布し発熱、一瞬にして気化させることによって小規模な水蒸気爆発を起こさせる技だ。
「でも、追い詰めたのはこっちのようね。空中では身動きはできない!」
 その通り。まだジャンプの運動エネルギーは真上へと向いているがそろそろ落下し始める。だけど、もちろんそれも読み込み済みだ。素早くドライバーに差してあるボトルを抜き、他のフルボトルを取り出す。
『TAKA!GATLING!』
 そして回す。
『Are You Ready?』
「ビルドアップ!」
 空中で新たなフォームへ変わる。
『天空の暴れん坊!ホークガトリング!Yeah!』
「姿が変わった!っていうか飛んでる!?」
 ホークガトリングフォーム。鷹の飛行能力と機関銃の連射能力をかけ備えた姿だ。背中の『ソレスタルウィング』による飛行能力に驚いているところを見るとどうやらビルドの全てを把握しているわけではないらしい。
「せっかくだけど。着地点にまた散布したナノマシンは返すよ!」
 俺は翼で大きく羽ばたき霧を会長まで飛ばす。 
「やられた!でも、まだ終わってない!」
 ナノマシンを一点に集中させ始めたか。もちろん計画通りだ。






『フルボトル!』
 俺は専用武器『ホークガトリンガー』ではなく紫色の銃『ネビュラスチームガン』にラビットフルボトルを差し込む。
『ファンキーアタック!フルボトル!』
 ラビットの成分の超高速弾でための初動を消す。
「こいつでフィニッシュ」
 ホークガトリンガーのシリンダーを回す。
『テン!トゥエンティ!サーティ!フォーティ!フィフティ!シックスティ!セブンティ!エイティ!ナインティワンハンドレット!フルバレット!』
 会長を球状のフィールドで隔離する。行動を封じたところへ弾丸バレットイレイザーを炸裂させる。
 SEがなくなったのを確認し落ちていく会長を空中でキャッチする。
「……負けたわ。やっぱりすごいのね。仮面ライダーって」
「いやいや。会長が最初から本気を出してたら負けてたのは俺だったよ」
 一度だけ会長の試合の映像を見たことがある。それは圧倒的という言葉は足りないほどだった。むしろ相手が惨めだった。戦兎さんが戦っているところを何回か見たくらいでの情報しかない俺では善戦に持ち込むのがやっとだったろう。
「そう、かしらね。ありがとう。なら、学園の先輩として一つアドバイス。それは()()()でもISよ。それは頭に入れておくことね」
「どうも。Ciao♪」
 こうして、なんとか勝つには勝ち、試験を終えた。 
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