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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百五十一話 宗教と妖怪その十四

「今はパリーグは日本ハムファンですが」
「そうなのか」
「球界再編の時で日本ハムが一リーグ制に反対だったので」
「それを見てか」
「日本ハムファンになりました」
 尚八条リーグの方は今もバファローズが好きとのことだ。
「それでその人にです」
「色々とか」
「近鉄のことを教えてもらってまして」
「知っているか」
「そうなんです、ただ井上さんは」
「私は父が近鉄ファンだったのだ」
 井上さんは何故近鉄に詳しいかも話してくれた。
「そのせいで知っている」
「そうだったんですか」
「それで近鉄関連の本も家にあってな」
「それも読まれて」
「知っている」
 近鉄のことをというのだ。
「横溝先生、藤子先生のことは聞いてだ」
「お父さんからですか」
「藤田まことさんのこともな」
 この人のこともというのだ。
「聞いてだ」
「そうだったんですか」
「懐かしい話になったな、随分と」
「はい、妖怪のことから」
「私はファンではなかったが」
「僕もです」
「今でもファンだった人はネットでサイトを持っているが」
 それでもというのだ。
「もう過去のことだ」
「そうですね」
「しかし妖怪達は今もいる」
「うちの学校とかに」
「そうだ」
「昔もいて今もですね」
「ある程度以上時代によっても変わる様だが」
 平安時代と室町時代、江戸時代でかなり違うのは事実だ。現代の妖怪も何か今時妖怪という感じだ。
「しかしいることはいてだ」
「僕達も運がいいとですね」
「出会うことが出来る」
「そういうものなんですね」
「そう思う、しかしあれだな」
「あれっていいますと」
「私も妖怪を見たいな」
 すっとだ、微笑んで僕にこう言ってきた。
「やはりな」
「そうですね、八条学園は妖怪のお話が多いですし」
「一度な」
「そうしたいな。しかし出会うなら出会うでだ」
 そうなった時のこともだ、井上さんは笑って話した。
「驚くだろうな」
「妖怪は人を驚かせるのが好きですからね」
「それが生きがいみたいなものだな」
「大抵はそうですね」
「それも一興だ、口裂け女に会って驚くこともだ」
 鉄道博物館のテケテケもいきなり出て来て人を驚かせるらしい、この妖怪の都市伝説は聞いてるけれどうちの学園のテケテケはそれだけだ。
「一興だ」
「そうなりますか」
「そうだ。それもまただ」
「面白いってことで」
「会いたいものだ」
「驚いてもいいんですね」
「私としてもだ、しかし普段の私からするとだな」
 井上さんの方から言ってきた、そういえばこの人は自分から言ってくることが最近多い気がする。
「驚く風には見えないな」
「そう思います」
 実際にとだ、僕も答えた。
「どうにも」
「そうか、しかし私も驚く」
「そうなんですね」
「これでもな」
 そうだというのだ。
「そのことも覚えておいて欲しい」
「わかりました」
 僕は井上さんにこう返した、そしてだった。
 井上さんは髑髏検校をちらりと見てそうしてだった、そのうえで自分のお部屋に帰った。僕も井上さんを見送ってから少しだけネットを見てそうして自分の部屋に戻ってこの日は寝て一日を終えた。


第百五十一話   完


                2017・8・9 
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