夢幻水滸伝
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第四十九話 軍師の傾きその二
「そしてや」
「今からやな」
「岐阜城に行こうな」
「そういうことでな」
芥川も応えた、そしてだった。
芥川は狐に乗って空を飛びすぐに岐阜城の方に向かった、山自体が城となっているこの城の周りにある街を守ってだった。
東海の軍勢は戦っていた、そしてその中に滝沢と正宗がいてその手に神具を持ち巨人達を倒していた。
その彼等にだ、芥川は巨人を一体三光手裏剣を投げて倒してから空から声をかけた。
「おい、何やこの状況は」
「!?芥川さん」
「どうしてここに」
「どうしたもない、今まさにそっち攻めようとしてたけどや」
二人のところに降りて言った、その降りる間に二体大通連で切り捨てている。
「この巨人共は何や」
「巨人は急に出て来るものとはご存知だと思いますが」
滝沢はその芥川に返した。
「芥川さんも」
「それはな、言うてるのはその数や」
そのことだというのだ。
「こんな数の巨人は僕もはじめて見たわ」
「我々もです、それでなのですが」
「今こうして戦ってるんやな」
「はい」
その通りだとだ、滝沢はその手から業火を放ってそうして一人の巨人の胸を吹き飛ばしてそのうえで芥川に話した。
「我々は」
「今綾乃ちゃんを攻めようとしてやな」
「!?まさか」
「読んでたわ」
芥川は滝沢にこのことは不敵に返した。
「それはな」
「あえて申し上げません」
その通りでこの言葉も自白になるがあえて隠した滝沢だった。
「そのことは」
「そうか、それでな」
「何故ここに来られたのですか」
「まず言っておくが攻めるつもりはない」
このことははっきりと言った芥川だった。
「一切な」
「そうですか」
「少なくとも今はな」
「巨人達と我々を共に攻めて岐阜城を攻め落とすことは容易ですが」
正宗は跳び上がり一体の巨人を唐竹割りにして倒してから芥川に問うた。
「しかし」
「そのことか」
「されないのですか」
「しようと思ったらすぐそこにある軍勢をここに向けてるわ」
これが芥川の返事だった。
「ちゃうか?」
「確かに」
「まずは僕が話をしに来たんや」
「話、まさか」
「そのまさかや、今は一時休戦してや」
そのうえでというのだ。
「この巨人共全員倒すで」
「そうしてですか」
「岐阜の民も街も護るんや」
その両方をというのだ。
「勿論周りの田畑や堤や工場もな」
「そうしたものもですか」
「民守ってこその星のモンやろ」
芥川は正宗、そして滝沢に真剣な顔で問うた。
「ちゃうか?」
「それは」
「その通りやな」
「はい」
正宗も今その為に戦っている、それでの返事だった。
「まさに」
「それでや」
「ここに来られてですか」
「その申し出に来たんや」
「そうですか」
「それで返事を聞きたいんや」
芥川は正宗にあらためて問うた。
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