転生とらぶる
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ペルソナ3
2035話
影時間が終わってからすぐに、アイギスは桐条グループに運ばれる事になった。
本来であれば、最後のイレギュラーシャドウを倒して、これで影時間が終わったという事になる筈だったのだが……タカヤの話を聞いた今では、とてもではないがそんな事をする気になれないのは当然だろう。
……というか、言うに言えないのだが、本当にこれで影時間は解決したのか?
そんな疑問を、俺は抱いていた。
もし本当にあのイレギュラーシャドウを倒した事によって影時間が解決したのであれば、それこそ倒した瞬間に影時間が消えてもよかったのではないか。
そう思ってしまうのだ。
だが、あのイレギュラーシャドウを倒しても、結局のところ影時間は終わらなかった。
つまりそれは、まだ影時間については解決していないと、そういう事ではないのか?
そう思うも、アイギスの疑惑の件はあれども、小さい頃からずっと影時間消滅の為に戦ってきた美鶴が安堵している様子を見れば、言うに言えなかったというのもある。
「美鶴先輩、アイギス……どうなるの?」
「心配するな、ゆかり。桐条グループの方でちょっと調べて貰うだけだ」
「でも……」
細かな場所は違っても、やはり外見が女だというのが、ゆかりが心配そうにしている原因なのだろう。
それは美鶴も分かっているのだろうが、今回の場合は下手をすれば色々な意味で不味い事になる。
……思いついた俺がこうして言うのもどうかと思うが。
「アイギスは対シャドウ用ではあるが、指先がマシンガンになっているように、対人兵器という一面もある。もし幾月がアイギスに何らかのプログラムを仕込んでいた場合……それは、私達にとって致命傷になる可能性が高い。そうならない為に、安心してアイギスと行動を共にする為にこそ、今回の一件は必要なのだ」
「……分かりました」
美鶴の言葉にゆかりは大人しくそう言う。
完全に納得した様子ではないが、それでも美鶴の言う事が正しいと理解したのだろう。
それに美鶴の言う通りであれば、アイギスに何の問題もない場合はすぐこっちに戻ってこられるって事だろうし。
もっとも、その場合はタカヤの言っていた埋伏の毒というのが誰なのかをまた新たに探す必要が出てくるのだが。
そういう意味では、対処のしやすいアイギスが埋伏の毒であって欲しいと思う。
「取りあえず、いつまでもこうしていてもどうしようもない。もう影時間も終わったし、明日は学校もある。このままだと寝坊する者が続出するぞ」
まぁ、影時間が解決したのであれば、学校どころではないという可能性もあるのだが。
影時間が解決して、タルタロスが消滅したら月光館学園はどうなるのかといった問題もあるし。
桐条グループの担当がもの凄く忙しそうになる可能性が高い気がする。
そんな風に考ええていると、美鶴も俺の言葉に頷くところはあったのか、それぞれ帰るように促す。
……まぁ、俺とゆかりとコロマル以外は全員が巌戸台分寮に住んでいるので、帰ると言っても俺がゆかりを寮まで影のゲートで送っていけば、それで終わりなのだが。
コロマルの場合は、影のゲートよりも自分の足で神社まで走って帰りたいらしいので、そのまま寮の外に出れば問題はない。
「じゃあ、明日な。……いや、明日じゃなくてアイギスの件で何か問題が判明したら、こっちにもすぐに連絡してくれ」
「うむ。……だが、もし本当にアイギスに何らかのプログラムが仕込まれているのであれば、それこそ私達にはどうする事も出来ない。その辺りは本職の人間に任せるべきだろう」
美鶴の言葉は正論で、誰もそれに反論する事が出来ない。
ホワイトスターと繋がっていればな。そうなれば、技術班に調べて貰って、その辺りはどうとでもなるだろうが。
俺の中で、既に幾月がアイギスに何らかのプログラムを潜ませておいたというのは、半ば確定事項となっている。
……まぁ、実は小さい頃から幾月と一緒に行動していた美鶴が何らかの洗脳処置をされているという可能性も否定出来ないし、それ以外にも何らかの理由で幾月に手を貸してい者がいないとは限らない。
だが……正直なところ、一番可能性が高いのは、やはりアイギスだろう。
洗脳云々よりも、プログラムを作って仕掛けておく方が、圧倒的に簡単だし、何より確実だ。
洗脳というのは色々と手段があるが、プログラムのように絶対的なものではないし。
何より、アイギスの場合は特に武器等を持たずとも体内に武器を内蔵されているという特徴があるのも大きいのだから。
ともあれ、この場は解散という事で俺はゆかりを寮まで送っていくのだった。
翌日の朝、俺はいつものように月光館学園に向かう途中でゆかりと遭遇して一緒に登校する。
見た感じでは、月光館学園が何か変わっている様子はない。
「ねぇ、本当に影時間って終わったのよね?」
隣で呟くゆかりも、本当に影時間が終わったのかどうかを納得出来ていないといった様子だ。
まぁ、その気持ちは分からないでもない。
イレギュラーシャドウはそれなりの強さだったが、ラスボス的な存在かと言われれば、答えは否だったし。
本当に影時間が終わったかどうかは、今日の夜になればはっきりとするだろう。
今夜は巌戸台分寮で食事をする事になっているし。
……そう思いながらも、俺は恐らく影時間はまだ終わっていないのだろうという風に考えてはいたのだが。
もしこの世界が何らかの漫画やゲーム、アニメ、小説……といった原作のある世界であれば、あの程度のイレギュラーシャドウを倒してハッピーエンドといった終わり方はないだろうし、何よりタカヤや幾月の存在もあるのだから。
「ん? 2人で校舎を見て、どうしたんだ?」
俺とゆかりにそう声を掛けてきたのは、友近だ。
俺とゆかりが、いつの間にか足を止めて月光館学園の校舎を眺めていたのに気が付いて、声を掛けてきたのだろう。
「いや、何でもない。こうして改めて月光館学園を見れば、面白い学校だなと思っただけだよ」
「……面白いか? いや、教師は色々と特殊なのが揃ってるけど」
友近の言葉に、俺とゆかりは揃って頷く。
実際、月光館学園の教師は色々と特殊な性格をしている者も多い。
中には自己保身こそが大事だという風に考えている、どこぞの担任教師のような男もいるが、大抵はそんな事はない。
もっとも、別の意味で色々と特殊な性格をしている者が多いのは事実だが。
その筆頭が、保健医にして保健体育の江戸川だろう。
授業でも保健に関する事は殆ど何もせず、オカルト関係の授業ばかりが行われる。
正直なところ、これでよく上から注意されないなと、不思議に思う。
教育委員会や文部省辺りに知られれば、間違いなくその辺りを指摘されてもおかしくはない。
もっとも、指摘しようとしても出来ないという可能性は十分にあるが。
桐条グループの経営している学校なのだから、余程の問題がなければ、触らぬ神に祟りなしといったところか。
「出来れば、もう少しまともな教師が……」
欲しかった。
そう言おうとした時、黒塗りの、どこからどう見ても高級車といった感じの車が俺達の側に停まる。
「アクセル、ゆかり。ちょうどよかった。ちょっと来てくれ」
窓が開き、そこから姿を現したのは美鶴。
どこか切羽詰まった様子を見る限り、恐らくは何か面白くない出来事があったのは間違いないだろう。
問題なのは、その面白くない出来事が何なのかという事だが……昨日の今日だと考えれば、何となく予想は出来る。
「アイギスか?」
短く尋ねると、予想通り美鶴から返ってきたのは頷き。
「え? ちょっ、おい。アルマー。何がどうしたんだよ?」
美鶴との短いやり取りで何が起きたのかを知る事が出来るのは、当然のように事情を知っている者だけだ。
そういう意味では、俺やゆかりと一緒に登校していた友近が、その事情を理解出来る筈がなかった。
というか、アイギスに何か問題があったというのを、友近に聞かせてもいいのか?
一瞬そう思ったが、友近が何か騒いだところでどうにかなる筈もないのも、間違いはない。
ともあれ、アイギスに何らかの問題が起きたのであれば、大人しく学校に通う訳にもいかないだろう。
「悪いな、友近。俺とゆかりはちょっと早退だ」
「いや、早退も何も、まだ学校に到着もしてないんだから、寧ろサボりだろ」
そう言いながらも、友近はそれ以上こちらに何かを言うような事はない。
美鶴が黒塗りの高級車で迎えに来たという時点で、自分が何を言っても、言うだけ無駄と判断したのだろう。
「じゃ、またな」
「勉強、しっかりと頑張りなさい」
俺とゆかりはそう言って、車に乗り込む。
……ちなみに勉強をしっかりと頑張れといったのは、中間テストで友近が等々赤点を取って追試になった為だろう。
まぁ、元々成績は良くなかったし、テスト勉強とかもしてなかったみたいだから、当然の結果なのかもしれないが。
もっとも、勉強をするように言って、それで友近が勉強をするようになるかと言われれば、正直なところ微妙だとしか言いようがない。
ともあれ、そんな訳で俺達は車に乗り込んで都内にある桐条グループの研究所に向かう事になる。
「俺達以外の連中は?」
「皆、既に研究所に向かっている。本来ならアクセルやゆかり達に対しては、電話でもすれば良かったのだろうが、ちょうど月光館学園でタルタロスの影響がないのかどうかの調査や……それ以外にも細々とした用事があったのでな」
「校舎の様子は?」
「特に以前と何か変わっているようには見えなかったな。こうなると、影時間が本当に解決したのかどうか、微妙なところだ。その辺りの判断は、今夜影時間が来るかどうかで確認するしかないだろう」
「結局はそうなるか」
そう答えつつも、多分今夜も影時間が来るんだろうな、という予感はある。
俺と話していた美鶴や、その話を聞いているゆかりもまた、言葉には出さないがそんな風に感じているようには思えた。
そう思っていると、車に付属している冷蔵庫からペットボトルの紅茶を取り出し、俺とゆかりに渡しばがら、美鶴が口を開く。
「さて、そろそろ本題に入るか。それで、アイギスの件だったが……端的に言おう。黒だ」
黒。それはつまり、俺の予想が当たっていたという事か。
「どういうプログラムだ?」
そう尋ねると、美鶴が歯を噛みしめる音が周囲に響く。
どうやら、余程に悪辣なプログラムだったらしい。
「アイギスの意思を無視して、幾月の命令に絶対服従にするというものだ。ましてや、アイギスのペルソナ能力を使う為か、アイギスという心はそのままにしてな」
「……なるほど」
ペルソナというのは、心や人格といったものが大きく影響を与える。
ましてや、アイギスの場合は人間ではなくアンドロイドだ。
そうである以上、ペルソナを使用する際にその人格とかは必須だろう。
そう考えれば、幾月がアイギスの人格をそのままに、自分の命令には絶対服従させるという方法を選ぶのは理解出来た。
そしてアイギスを、兵器ではなく仲間として認識している美鶴がそれを許せないというのも。
「チドリから得られた、切り札という情報。そしてタカヤが言っていた埋伏の毒。その正体がアイギスだった訳だ」
「そうなる。現在、アイギスは研究所の方でそのプログラムを消去し、他に何か怪しいプログラムの類がないのかどうかをチェック中だ」
なるほど。そのプログラムを発見したのはいいが、他にも何かが仕込まれているという可能性もあるしな。
誰から聞いたのか、もしくは何で見たのかは忘れたけど、人の死体を埋める時にはその死体の上に犬か猫の死体を埋めておけば、見つかりにくいらしい。
多少違うかもしれないが、今回の件も似たようなものだろう。
だが、桐条グループの技術者は、犬の死体を見つけた後、しっかりその下も探して人の死体を見つけたと、そういう事なのだろう。
「桐条グループの技術者もやるな」
「ふふっ、そうだろう?」
俺の言葉に自慢そうに笑みを浮かべる美鶴だったが、ゆかりはあまり面白そうな表情を浮かべていない。
ゆかりの父親の件を考えれば、そこまで不思議って訳でもないか。
「ともあれ、幾月の切り札を潰せたのは大きい。アイギスを操る事に失敗したのであれば、幾月本人は戦闘力がないしな。……手を組んでいるタカヤとも、決して良好な仲って訳じゃないらしいし」
「そうでしょうね。幾月の件は向こうが教えてきたんだし」
ゆかりも、俺の言葉に納得したように頷く。
幾月の呼び方が呼び捨てになっているのは……幾月が何をやってきたのかを考えれば、不思議じゃないか。
そんな風に考えている間にも車は進み、やがて桐条グループの研究所に到着するのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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