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転生とらぶる

作者:青竹
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ペルソナ3
  2034話

 最後のイレギュラーシャドウを倒した瞬間に姿を現したタカヤ。
 多くの者は反射的に攻撃態勢を取るが、俺はゲイ・ボルグを手にしたものの、即座に攻撃をしようとは思わなかった。
 何故なら、タカヤとジンの2人は、俺達がイレギュラーシャドウと戦っている時に、既にここに到着していたのだから。
 ……いやまぁ、俺は積極的に攻撃をしていなかったので、俺を数に入れるのが正しいのかどうかは分からないが、それでも俺の召喚獣のグリと刈り取る者はイレギュラーシャドウと戦っていたので、一応俺も数に入れて問題はない、筈だ。
 ともあれ、最初から敵対する気があるのなら、それこそイレギュラーシャドウと戦っている時にちょっかいを出してきた筈だ。
 それがなかったっという事は、つまりタカヤ達は俺達と敵対する気はないという事なのだろう。
 勿論、それは今だけの話であって、本格的にこっちに投降してくるとか、そんな事はないだろうが。

「で? わざわざ何をしにやってきたんだ?」
「いえ、少し忠告を、と思いましてね。戦いに来た訳ではありませんよ」
「……忠告だと?」

 何故、わざわざ俺達に忠告をする?
 もしかして……本当にもしかしてだが、俺達に投降するつもりがあったりするのか?

「何の忠告だ?」
「幾月修司」

 その一言で、S.E.E.Sの面が険しい表情になる。
 まぁ、その名前をS.E.E.S達の前で口に出すというのがどのような意味を持つのか、それを知ってれば当然か。
 S.E.E.Sにしてみれば、幾月は自分達の信頼をこれでもかと裏切った存在以外の何者でもないのだから。

「私達の前でその名前を出すのが、どのような意味を持っているのか。それを理解した上での言動だろうな?」
「勿論、それは理解しています。彼が貴方達にとって、許されざる存在であるというのもね」

 そこまで言ったタカヤの視線は、不意に順平の隣にいるチドリに向けられた。
 俺達にとって幾月が裏切り者であるという事は、それはそのままチドリにも向けられるのだ。
 ……もっとも、客観的に見ればその通りかもしれないが、チドリと幾月では仲間を裏切った理由が色々と違うのだが。
 ただ、それはあくまでも俺達だからこそ言える事であり、裏切られたタカヤ達にしてみれば、どのような理由があろうと裏切り者は裏切り者でしかないだろう。
 チドリは鎖鎌ならぬ鎖斧を手に、タカヤを見返す。
 もし戦いになっても、躊躇せずに戦うと態度で示しているのだろう。
 そんなチドリの視線を向けられたタカヤは、珍しく驚いた表情を浮かべ……だが、次の瞬間には、小さく笑みを浮かべて口を開く。

「落ち着いて下さい。先程も言ったように、今回私達が姿を現したのは、戦いに来た為ではありません。あくまでも情報提供にやってきただけです」
「……何故、私達にそのような真似をする? お前達は幾月と手を結んだのだろう?」

 美鶴の言葉に、タカヤは笑みを浮かべたまま頷く。
 どこか虚無を感じさせるその笑みは、以前見た時よりも強い破滅願望を感じる。
 これは、幾月と接触したせいなのか?
 だが、破滅願望か。
 もしタカヤの持つ破滅願望が、制御剤の副作用による逃れられない自分の死から来ているのであれば、イクシールを使う事でどうにか出来るか?
 一瞬そう思ったものの、タカヤの性格はこれまでの数少ないやり取りを考えれば、恐らく制御剤の副作用によるものではないというのは、想像するのは難しくない。
 いや、最初はもしかしたらそうだったのかもしれないが、今は違うのかもしれないが。
 ともれ、そんな訳で現在の様子を見る限りでは、もしイクシールを使って回復させてもタカヤが止まるような事はないだろう。
 ジンの方も、そんなタカヤに心酔している様子を見れば、こちらもまた同様だ。

「そうですね。私達は彼と手を組みました。ですがそれは、打算的なものでしかありません」
「……つまり、今のお前達にとって、幾月はその打算から外れた存在になった、と?」
「お分かりになって貰えたようで、何より。もっとも、彼の行動が興味深いというのは間違いありません」
「ちょっと待てよ!」

 幾月と美鶴の会話に割り込んだのは、意外な事に順平。
 いや、別に意外って訳でもないのか?
 順平が向こうに囚われていた時に、タカヤやジンと話をする機会はあったらしいし。
 そういう意味では、俺達の中でチドリ以外にタカヤを詳しく知っているのは順平という事になる。

「おや、お久しぶりですね。元気そうで何よりです」

 そんな順平の言葉にも、落ち着いた様子で答える順平。
 だが、そんなタカヤの態度が気にくわないのか、順平は苛立ちも露わに叫ぶ。

「影時間を作った原因の、最後のイレギュラーシャドウはたった今、俺達が倒したんだぞ! なら、もうお前達が何を考えていようと、それは無意味な筈だ!」
「そうですか? まぁ、そうなるかもしれませんね。そうなったらそうなったで、また面白い気もしますが。……さて、いつまでもこうして話していられる訳でもありませんので、早速本題を。幾月修司。彼が何かを企んでいますが、その為に埋伏の毒を使うようです」
「っ!?」

 埋伏の毒。
 その意味を理解し、驚愕の表情を浮かべたのは美鶴を含めた何人か。
 順平や真田、天田といった面々は、埋伏の毒が何を意味しているのか分からず、不安そうな表情を浮かべている。
 埋伏の毒。それはつまり、こっちに幾月と通じている者がいるという事だ。
 だが……S.E.E.Sのメンバーでそんな風な奴がいるとは、思えない。
 勿論自分の能力や素性、性格を隠して行動している者がいないとも限らない。
 それでも、タカヤの言葉を本気で信じる訳にはいかなかった。

「そもそも、何故俺達にそんな事を教えるんだ?」
「さて、その辺りは君達に話しても理解出来ないでしょう」

 なるほど。タカヤにしてみれば俺達という存在を幾月と食い合わせたかった訳か。
 そうして、自分が漁夫の利を狙うと。
 しっかりと聞いた訳ではないが、この予想は恐らくそんなに間違ってはいないだろう。
 となると、タカヤにとっても幾月は邪魔な存在となっていることになる。
 ……さて、そうなるとこれからは三つ巴の戦いになりそうだな。
 いや、俺達がS.E.E.Sと別のチームという事を考えれば、四つ巴か?
 ともあれ、向こうが何を考えているのかは分からないが、それが俺達の利益になるという事であれば、それはそれで構わない。
 幾月との付き合いの長さ故にそこまでは割り切れていないのだろうが、それでも美鶴もこのままここでタカヤ達と戦うのは面白くないと判断してるのだろう。
 ここで俺達とタカヤ達が戦えば、漁夫の利を得るのは幾月だと理解しているが故に。
 タカヤ達も、それを理解しているからこそ、こうして俺達の前に堂々と姿を現したんだろうし。
 美鶴の視線を受け、俺は少し考えてから口を開く。

「そうだな。このままここでお前達を倒してもいいんだが……」

 そう呟き、軽く手を振ると戦いが終わって地上に降りていたグリが、そして刈り取る者がタカヤとジンに向けて攻撃の準備をする。
 だが、それを向けられたタカヤは全く気にした様子もなく、口を開く。

「いいのですか? このままだと、どうなるか。分からない訳でもないと思いますが」
「ああ。けど、お前達を倒して幾月も倒せば、どちらにしろ問題ないと思わないか?」
「それだけの戦力の余裕がありますか?」
「ああ、それは問題ない。イレギュラーシャドウとの戦いで、俺は軽く援護しかしてなかったからな。俺の召喚獣2匹も、その辺りは万全だ」

 これは強がりでも何でもなく、純然たる事実だ。
 そして以前戦った時のタカヤの反応を考えれば、恐らく……いや、間違いなくグリや刈り取る者の助けを借りなくても、俺だけでどうとでもなるという確信があった。
 タカヤとジンのペルソナがどのような能力を持ってるのかにもよって、若干その辺は変わってくるとは思うのだが。
 ……もっとも、今この状況でタカヤ達を倒してしまうというのは、将来的に見て色々と不味いのも事実だ。
 いや、将来的とまでは長期的な展望じゃないか。
 幾月とタカヤが双方に仲違いをして、お互いがぶつかりあって欲しいというのが、正直なところだ。
 幾月がどこにいるのか分からない以上、こちらとしては、幾月が不利になる手間を省く訳にはいかないのだから。
 タカヤも、その辺りの事情が分かっているからこそ俺達の前に出て来たんだろうし。
 幾月がこの場にいれば、それこそ一網打尽といった感じで綺麗さっぱり今回の件は解決するんだけどな。
 それを理解しているからこそ、タカヤもこうして自分とジンの2人だけで姿を現したんだろうが。

「……行け」
「ちょっ、おい、アクセル! いいのかよ!?」

 俺の言葉に、順平はそう叫ぶ。
 順平にしてみれば、まさかここで俺がタカヤを逃すとは思わなかったのだろう。
 それに、順平にしてみればタカヤというのはチドリとの関係もある。
 それが余計に、順平の叫びに繋がっていた。

「ありがとうございます。では、私はこの辺で」

 破滅願望を感じさせる様子はそのままに、タカヤは笑みを浮かべつつそう告げてくる。
 用事は済んだとこの場を立ち去ろうとしたタカヤだったが……不意に、その動きを止め、チドリに視線を向け、口を開く。

「チドリ。一応聞いておきますが、貴方はそこにいるという事でいいのですか?」
「……」

 タカヤの問いに、チドリは小さく頷くだけで答えた。
 それを見たタカヤは……そしてジンも、それ以上はそんなチドリに何かを言うでもなく、今度こそその場を去っていく。
 それでも……何も言わなかったが、タカヤとジンがチドリに向けた視線の中に多少であっても優しさのようなものが一瞬ではあったが感じられたのは、俺の気のせいではないだろう。
 何だかんだと、チドリはずっとタカヤやジンと行動を共にしてきたのだから。
 そんな3人だけに、俺達には分からないが、それでも通じ合える何かがそこにはあるのだろう。
 そうしてタカヤが完全に去ってから数分……沈黙が続いていた中で、俺は口を開く。

「さて、タカヤの言っていたのが事実だとすれば、埋伏の毒があるらしいが……誰か、心当たりは? もっとも、そう言って手を挙げるような奴が埋伏の毒なんて風には言われないだろうけど」

 多分、以前チドリが言っていた、幾月の切り札。
 それが、埋伏の毒という事なのだろう。

「……あの言葉が、こちらを疑心暗鬼にする為のブラフ、という可能性はないか?」
「どうだろうな。何の確証もないのに、こうやって俺達の前に出てくるような事はないと思う。そうなると、やっぱり何らかの理由があるのは間違いない。ただ、それをどうやって見つけるかが問題になるんだが」

 もっとも、普通に考えて現在の状況で幾月に協力するような奴がいるとは思えない。
 以前俺に絡んできていた頃の順平なら、俺への対抗心から幾月と通じるという可能性は否定出来なかったが……今の順平がそのような真似をするとは思えない。
 そうなると、やっぱり別の誰かになる訳だ。
 最後のイレギュラーシャドウが顔された以上、幾月が行動を起こすのはそう遠くないと思う。
 それこそ、下手をすれば今夜これから……という可能性も否定は出来ない。
 それよりも前に、何とか幾月の切り札たる埋伏の毒を見つけておきたいところだが……
 結局、どうやってその埋伏の毒を見つけるかが問題になるという場所に戻ってくるんだよな。
 うーん、こうしてぱっと思いつくのは……鵬法璽?
 いや、鵬法璽の効果は絶大だが、だからってどんな契約をすればいいんだ?
 幾月とは絶対に敵対するようにする事? もしくは、全てを正直に話す事?
 ……前者はともかく、後者はこの先の人生を生きていく上で致命的な事になりかねないから、止めておいた方がいいだろうな。
 そうなると、次に思いつくのは……うーん。こう、ぱっと思いつく内容がないな。
 そもそも、鵬法璽を使うにしても、コロマルにどうやって使えばいいんだ?
 寧ろそういう意味なら、アイギスにも使えるのか?
 いや、フェイトに使えたのなら、アイギスにも使える筈……
 そう思った時、何かが俺の中に引っ掛かる。
 何だ? 俺とアイギスの間にある関係は、そこまで深いものではない。
 寧ろアイギスと深い関係にあるのは、有里だろう。
 なのに、何故……
 その瞬間、半ば条件反射的に幾つものイメージが俺の中に浮かぶ。
 アイギスと初めて会ったのは、屋久島。
 そのアイギスを調整したのは幾月。
 ゆかりの父親の映像を改ざんするだけの技術が幾月にはある。
 アイギスは人の形をしていてもロボット……アンドロイドとでも呼ぶべき存在。
 つまり……

「アイギス、か?」

 思わず呟かれた俺の言葉が周囲に響き、その場にいる全員がアイギスに視線を向けるのだった。

「何でありますか?」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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