夢幻水滸伝
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第四十八話 再戦その十三
「今回は」
「百、いえ百五十はいますね」
「一度にこれだけ出るのは確かにな」
「はじめてだ、大きさは大体十メートル位か」
大きさはそれ位であった、巨人達のそれは。
「大きさ自体は普通だな」
「巨人としては」
「それはいいが」
しかしという言葉だった。
「とにかく数が多い」
「それをどうするかですね」
「今回はな、いいか絶対にだ」
「民達にはですね」
「向かわせるな」
その前にというのだ。
「全て倒すぞ」
「わかっています、絶対にです」
鈴子はその手に八角の杖を出していた、彼女の武器である。
「一人も街には入らせません」
「一撃一殺だ」
「我々なら出来ますし」
星の者達ならというのだ。
「だからな」
「はい、私も棟梁もですね」
「そうしていくぞ」
「わかりました」
確かな声で頷いてだ、そしてだった。
二人は軍勢は部将達に任せて巨人達を倒しに向かった、それは名古屋でも岐阜でも同じ状況になっていた。
坂口は己の神具を縦横に使い巨人達を次から次に戦いつつ術で巨人達を攻めて倒している雅に問うた。
「どうだがや」
「はい、巨人達は順調に倒していますが」
「それでもだがや」
「はい、数が多く」
正確に言えば多過ぎてだ。
「それで、です」
「倒しきれないだがや」
「このままでは」
雅は深刻な危機を感じ坂口に言った。
「巨人達がです」
「名古屋の街に入るだがや」
「若しくは周りの田畑や堤に」
そうした場所に入る危険もあるというのだ。
「そうしてです」
「壊されてしまいますね」
「若しくは人が襲われて」
巨体を誇る巨人達にだ。
「そうしてです」
「犠牲者が出るだがや」
「そうなります、軍勢にも戦ってもらっていますが」
見れば弓矢や銃、大砲を使って攻めている。
「そうしていますが」
「それでもだがや」
「はい、足りません」
こちらの戦力がというのだ。
「巨人達を倒しきるには」
「そうだがや、まさかこれだけの巨人が出るとは」
坂口は苦い顔で言った。
「予想もしていなかっただがや」
「そうですね、いよいよ関西を攻めようという時に」
「ここまで出るとはぎゃ」
「予想していませんでした、しかし」
「それでもだがや」
「彼等を。何としても倒し」
術を十メートル以上の背丈がある巨人、服はみすぼらしいが巨体の彼の頭に向かって放ちそれで吹き飛ばしてから言った。
「そうしてです」
「それでだがや」
「民の危険を取り除きましょう」
「民を護らずして何が星の者だがや」
これが坂口の考えだった、そしてこれは東海北陸の他の者達も同じだ。
「だからだがや」
「はい、ここは無理でもです」
「無理を無理にするのでなくぎゃ」
「倒しきりましょう」
こう言ってそしてだった。
坂口は雅そして彼等の軍勢と共に巨人達と戦い続けた。彼等は戦の勝利よりも民達を護ることを選んだのだった。
第四十八話 完
2018・1・1
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