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夢幻水滸伝

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第四十八話 再戦その十一

「是非」
「そうするだがや、それは東海もだがや」
「はい、三河に工場を多く築いていってますし」
「名古屋の方にものう」
「ものを多く造り」
「あとお茶とか蜜柑もじゃ」
 駿河の産である。
「どんどん作って売ってのう」
「儲けましょう」
「そしてその儲けでじゃ」
「国力をどんどん養っていきましょう」
「そういうことじゃ、日本はどんどん豊かになる国じゃ」
 豊かになろうと思えばそれだけとだ、坂口は笑って話した。
「土地はええうえに海が四方にあってじゃ」
「漁業も貿易もしやすいです」
「まことにだがや」
「工業等も興しやすいですし」
 海があってというのだ。
「問題は資源ですが」
「それだがや」
「資源を買ってです」
 こちらはそうするというのだ。
「そうしていけばいいですし」
「幸い金や銀はあるだがや」
 そちらの鉱山はあるというのだ、東海と北陸の場合は甲斐と佐渡にそれぞれ世界でも屈指の金山がある。
「それで手に入れた銭でだがや」
「エネルギーの資源も買えます」
「それでだがや」
「どんどん儲けていきましょう」
「そういうことだがや」
「日本は勢力としては小さいですが」
 雅もこのことは強く認識していた。
「しかしです」
「それでもだがや」
「それなり以上の国力があります」
 統一したその時はというのだ。
「ですから」
「統一してだがや」
「太平洋もですね」
「統一だがや、ではな」
「戦ですね」
「これから関西を攻めるだがや」
「では食べ終わり夜になれば」
 真夜中になったその時にというのだ。
「一斉に攻めましょう」
「そうするだがや」
「今のところ順調ですね」
 鈴子は自分達の用意の状況を見て述べた。
「万端整っています」
「何よりだがや」
「はい、それではですね」
「まずはたらふく食うだがや」
 坂口は鈴子にもこう言って実際に自分達も兵達も鍋をたらふく食べさせた。その蟹鍋は実に美味いものだった。 
 そして真夜中になってだ、坂口は自ら空船に乗ってだった。
 残る室生にだ、強い声で言った。
「ではだがや」
「時間になったらだな」
「そっちにも攻めてもらうだがや」
「わかっている」
 一言でだ、室生は坂口に答えた。
「こちらは任せてくれ」
「わかっただがや」
「いい雨だ」
 今も降っている雨、真夜中のそれを見ても言う室生だった。
「この雨ならな」
「こっちの動きも気付かれないだがや」
「そうだ、我々の音も気配もな」
「全て消してくれるだがや」
「見られることもだがや」
 それもというのだ。
「隠してくれるだがや」
「夜の闇と共に」
「いいことだがや」
 坂口は笑ってだ、室生に応えた。
「まさに絶好の奇襲時だがや」
「その通りですね、では」
「今から出るだがや」
 雅にも応えてだ、そしてだった。 
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