NEIGHBOR EATER
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EATING 25
前書き
翼君はエロ方面に関して超絶ピュアです。
しかも素の状態で半トリオン体なので性欲も希薄です。
「なぁ、雪乃」
「なにかしら翼君?」
「お前オペレーターだよなっ!?」
目の前には切り刻まれたネイバーの骸…
「ええ、そうよ。でもたまには私も体を動かしたかったのよ。
寺島さんに頼んだら嬉々としてトリガーを渡してくれたわ」
「それでその格好なのか…」
雪乃はフレームアームズ・ガール轟雷をモチーフにしたアーマーを纏っていた。
「寺島さんは貴方に渡す予定でこのトリオン体を組んでいたそうよ。
だからトリオン量の関係で私は精々『これ』しか扱えないわね」
そう言って雪乃がチン!と弧月を鳴らした。
「見事な剣捌きでした雪乃様」
「貴女の動きを真似ただけよ。
トリオン体って便利ね。思った通りに動いてくれるのだもの」
いやいや、そんな簡単な物じゃないだろう…
真似ただけって…
『雪乃ちゃんは運動神経はいいけど体力「だけ」は無かったからね。
トリオン体には肉体的疲労が存在しないんだから雪乃ちゃんが強いのは当たり前だよ』
インカムからハルの声が聞こえてくる。
「オペレーターは姉さんに代わってもらったわ」
まぁ、いいけど…
『次、来るわよ』
「私が行くわ」
と言って雪乃はキャタピラをキュルキュル言わせながら突進していった。
「雪乃のやつストレスでも溜まってるのか…?」
「それとなく聞いてみますわ」
「頼んだ」
雪乃と夜架は結構仲がいいからな。
年は離れているが、対等な感じがする。
「主様、一つ御相談が」
「どうした?」
「名字を変えようと思うのです」
「ふーん…名字をね………………名字!?」
「はい。私には免許皆伝の時に父に与えられた名字があるのです」
へぇ…免許皆伝で授与された名字ねぇ…
「なんて言うんだ?」
「『切姫』です」
切姫? それって確か…
「お前の今の二つ名だろう?」
「はい、誰もが同じ事を考えるのだと驚いた物です」
「それで? なんで今頃になってなんだ?」
「免許皆伝の後、改名手続きにいく前に進攻があり今までうやむやになっていました。
最近余裕ができましたので、頃合いかと」
なるほどねぇ…
「その切姫ってのは…」
「はい、私の剣の腕からだそうです。表向きは」
「建前は? なら本音はどうなんだ?」
「私が試合においてすんでのところで相手を殺しかけたからですわ」
「へぇ、竹刀や木刀でか? そりゃすごい」
すると夜架はきょとんとした顔でこちらを見つめていた。
「怖くはないのですか?」
「なんで俺が夜架を怖がるの?」
「私は真剣以外でも人を殺せるのですよ?」
「俺なんて単騎でネイバーの大軍と真っ向勝負できるけど?」
すると夜架が微笑んだ。
「ふふ…そうでしたね」
「で、なんでそんな物騒な名前にかえるんだ?
羽々斬…アメノハバキリ。いい名前だと思うぞ?」
龍殺しの剣。剣術の一族には似つかわしい名字だ。
「いえ、私はこの『羽々斬』という名字には特に思い入れがありません。
両親は私の瞳を忌み嫌っていましたから」
サファイアとアメジストの瞳。
左右で違う色を宿した瞳。
「俺は、その目は可愛いと思うよ?」
「そうですか?」
「うん。前にそんな猫をみたことがあるんだ」
その猫を抱こうとしたら逃げられたけど…
「なるほど、猫ですか」
「で、思い入れが無いのはわかった。
その名字、嫌いなのか?」
「いえ、『羽々斬』の名には何も思いません。
ですが、切姫とは、私が私である所以を表しているように思えるのです。
私の覚悟だと受け取っていただければ」
「わかった。俺はお前の改名を認める。
後は、そうだな、本部長に許可を貰おう」
書類上、俺達二人の保護者は本部長なのだ。
『ちょっと私の意見は?』
「お前なら夜架の覚悟を邪魔しはしないだろう?」
『そうだけど…』
「じゃぁ、いいじゃん」
『はぁ…これだから翼君は…』
なんだよ。文句あるのかよ。
『まぁいいわ。本部長の所へは私も行ってあげる』
「それはありがたいけど、雪乃は?」
『絶賛エキサイト中』
目をやれば笑いながらネイバーを斬殺する雪乃が…
「夜架。雪乃のケア早急に頼む」
「このままでも宜しいのでは?
定期的にストレスを発散させれば済む話です」
「取り敢えず話は聞いたげて」
「かしこまりました」
任務終了後、本部長の所へ行くとあっさりと許可が出た。
翌日、改名手続きとそれに関連する諸々の申請を終わらせた晩…
ソファーに仰向けになってテレビをみていたんだけど…
「みゃおん」
風呂からあがった夜架が…
「何してんのお前?」
「所謂下着姿の猫耳女子小学生です」
目の前には言葉通りの姿の夜架がいた。
「その耳と尻尾は?」
「陽乃様と一緒に雷蔵様を脅……頼みました」
あわれ雷蔵。
「下着姿なのは?」
「下着だけをつけて『着衣状態で換装』しました」
「……………………………」
「みゃおぉ~ん」
なんか、こう…うん…こういうのが『エロい』って事なんだよね。
夜架がこちらにすり寄ってきた。
「にゃお~」
顎を撫でるとゴロゴロいいだした。
それも無意識っぽい。
どことなく雷蔵の抵抗の跡が見えた気がした。
「主様」
「なに?」
「私まだ初潮がきてないんです。だから…大丈夫なんですよ」
しょちょー? 大丈夫って何が?
首を傾げていると、腰の上に夜架が乗っていた。
「主様、どうか私にお情けを…」
「情け? あれ?俺ってなんか酷いことした?」
特に心当たりがないんだけど…
なんか夜架が前後に揺れてる。
「おい夜架、顔赤いぞ。逆上せたのか?
水飲んだ方がいいぞ」
「いえいえご心配なく」
「あと何で揺れてんの?」
「特に意味はございません」
「あっそ」
そこでドタドタと足音が聞こえ、ハルが出てきた。
「こんな事だろうと思った!」
こんな事?
「おや陽乃様」
「何してるのか説明して貰うよ」
「主の獣欲を受け止めるのも従者の務めです」
「じゅーよく?」
「翼君は知らなくていいことだよ」
「イイコトではありますが」
「取り敢えず翼君の上から降りなさい」
「かしこまりました」
トンっと夜架がおれの上から降りた。
「あ、ハル。夜架逆上せたっぽいから水飲ませといて」
「ええ、逆上せてるわね…」
「陽乃様。主様の性教育についてですが実践を…」
「それなら私がヤルわよ」
「光源氏計画ですか?」
「小娘はすっこんでなさい」
「年増がしゃしゃらないでください」
あっれぇ…? なんかおかしいぞー…?
ハルがトリガーを起動し、弧月とレイガストを抜いた。
夜架も弧月を抜く。
「勝った方が…」
「主様のハジメテを…」
「「貰う!」」
二人が斬り結ぶ直前。
「いい加減にしなさい!」
二人の首が跳ねられ、ベイルアウトして奥のベッドへと飛んでいった。
「雪乃?」
雪乃が弧月を抜いていた。
「ちょっとあの二人に説教してくるわ。
いつ終わるかはわからないから寺島さんの所に泊めてもらいなさい」
「ん、わかった」
雷蔵の所に行って訳を話したら爆笑された。
おこちゃまって言われたが訳がわからない。
ちゃんと水を飲むよう注意したのに…
後書き
やりたかったこと。
1 ツッコミ役にトリガーを持たせる。
2 「羽々斬」って打つのめんどい。
3 猫みたいなオッドアイ。
4 トリオン体の自由度を使った遊び。
5 超絶ピュアな翼。
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