八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十話 沖縄でもその九
「宗教もないしね」
「無神論者ですからね、共産主義だから」
「もう簡単にね」
「自分の思想だけで」
「それで自分だけになるのよ」
「思想って信仰じゃないですからね」
似ているが非なるものだと思う、そこに神や仏が存在しないと自分より上の存在、人間よりも上位の存在を認めなくなる。人間は万能の生物だというけれどその実は違うとしか思えない。
「やっぱり」
「そう、信仰じゃないから」
「違ってきますね」
「それで簡単にカルトにもなるのよ」
「ああ、カルトですか」
「あの人達カルトっぽいでしょ」
「ですね、言われてみれば」
反基地反原発とだ、他にも言っていることについてもう無批判で盲目的なものを感じる。それも強烈に。
「そうですね」
「神様って大事よね」
「仏様も」
「信じていないとね」
「誰もがそうじゃないにしても」
「ああなる場合もあるのよ」
過激派にだ。
「まあ宗教でもああなる場合あるけれど」
「カルトですね」
「そうなる場合もね」
「どうしてもですね」
「あるけれど」
それでもというのだ。
「あそこまでなるとね」
「もう、ですね」
「かなり駄目でしょ」
「確かにそうですね」
「それでもまだね」
「宗教の方がですね」
「あそこまでならないのよね、革命とか言わないからかしら」
過激派みたいにだ、過激派といえばどうして過激かというと暴力による革命を主張して行動するからだ。
「まだね」
「その分極端にならないんですね」
「節制も学ぶしね」
大抵の宗教でこの徳分も教えている。
「やっぱり」
「その分ですね」
「いいと思うわ」
「そういうことですね」
「宗教の方が」
「さっき親父の話出しましたけれど」
僕はここで日菜子さんにまた親父のことを話した。
「親父革命嫌いなんですよ」
「そうなの」
「共産主義自体が嫌いで」
それでだ。
「革命も嫌いなんです」
「人が大勢死ぬから」
「犠牲が付きものとかいいますよね」
その革命にあたってだ。
「フランス革命とかロシア革命とか」
「どの革命も滅茶苦茶人が死んでるしね」
「そうですよね」
「過激派もそう言ってテロやってたし」
そして大勢の人が死んでいる、こうした人達を取り締まらないと無関係の人がどれだけ死ぬだろうか。
「だからね」
「余計にですね」
「革命に反対っていうのはね」
「いいことですね」
「革命で一気に変えなくてもいいでしょ」
社会のおかしなところをというのだ。
「別に」
「少しずつでいいですよね」
「大勢の人が死ぬよりも」
それで出て来る政権が大抵とんでもない、ロベスピエールにしてもそうだしスターリンもだ。ヒトラーも革命とか言っていた。
「その方がね」
「宗教でもそうですね」
「仏教とか天理教とかそうよね」
「今じゃキリスト教もですね」
「ええ、一気にとか言わないわね」
「昔は違ったみたいですけれど」
最初の頃のキリスト教はだ、黙示録で世界が大々的に壊れている。あれはローマ帝国だのを例えているらしいけれど。
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