八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百五十話 沖縄でもその六
「本当にヤクザだから」
「それでヤクザって言うと怒りますよね」
「滅茶苦茶起こるわよ」
実際にだ、そう言うとというのだ。
「言論弾圧だとか差別とか言って」
「無茶苦茶な言い様ですね」
「そう言う連中こそヤクザでしょ」
「ヤクザ屋さんじゃなくてもですね」
「ヤクザでしょ」
「その通りですね」
僕もそうとしか思えなかった。
「そうした人達は」
「どうやってお金稼いでるかも不明だしね」
「そこも一緒ですね」
「右翼はどうもね」
よく言われるこの人達はというと。
「まあ街で騒いでいる街宣の人達はわからないけれど」
「普通の右翼の人達はですか」
「普段は肉体労働とかでね」
「お金稼いでいますか」
「そうみたいよ、健全な左翼の人達も」
そうした人達と違ってだ。
「やっぱり普段はね」
「普通に働いてますか」
「そうみたいよ、けれどね」
「ああしたデモばかりしている人達は」
「もうね」
「お金の出所が不明で」
「だって沖縄まで来てよ」
本土からわざわざだ、お金と時間をかけて。
「平日のお昼からデモして本土でも」
「あちこちでデモして」
「働いてないでしょ」
「どう見ても普通には」
「それじゃあお金の出所はね」
「不明ですね」
「その点もヤクザ屋さんと同じじゃない」
ヤクザ屋さんは昔は賭場やテキ屋だったけれどだ。
「お金の出所がわからないことが」
「何か怪しいですね」
「過激派そのものって噂もあるし」
「あの全共闘とかの」
「あの世代がずっとね」
もう四十年以上経っている、あの学生運動の時代から。親父もその頃はまだ生まれていない。
「やってるらしいわ」
「四十年以上」
「還暦超えてもね」
「そうした人が自分のお祖父さんだったら嫌ですね」
「お祖母さんもでしょ」
「はい」
本当に思う、若しそうだったら。
「肉親だったら」
「義和にはそうした親戚いないわよね」
「一人もいないです」
八条家にはだ。
「そうした人は」
「それはいいことね」
「いや、といいますか」
「というか?」
「共産主義ですよね」
ああしたデモをしている人達のイデオロギーはだ。
「そうですよね」
「大抵というかまずね」
「そうですよね」
「過激派だから」
左翼のだ。
「学生運動からの」
「赤軍派とか中核派とか」
両者の違いがわからない、何処がどう違うのか。言っていることもやっていることも全く同じだ。
「そういう連中ですね」
「そうよ」
「そうした連中は」
それこそだ。
「うちの一族には誰もです」
「出なかったのね」
「共産主義者自体が」
「学者さんでもなの」
「ソ連の実態が伝わってまして」
あの国が一体どんな国かだ。
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