夢幻水滸伝
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第四十七話 越前にてその十五
「国土、産業の崩壊と比べれば」
「そうやな、何十億の人口や広大な領土や産業が崩壊してるのと比べれば」
「まさにです」
例えそれが数百万の多くの金を投じて築き上げたものでもというのだ。
「何でもありません」
「そやな、それでやな」
「国土、産業はです」
どの勢力もというのだ。
「無傷で、です」
「手に入れるか」
「そしてその太平洋をです」
まさにというのだ。
「そこからさらに豊かにする」
「そうしていきますので」
「覇権を争うにしてもか」
「一度の決戦でお互い徹底的に戦い」
互いの主力をぶつけ合いそのうえでだ。
「勝つ」
「そうした戦になるか」
「はい」
まさにというのだ。
「そしてその結果です」
「最後に勝ち残った勢力がか」
「覇者となります」
「そうなるか」
「そうです、ただ我々は日本を統一しても」
ここで太宰は中里に強い声で言った。
「国力、そして技術と人口においてです」
「太平洋の覇権を争う勢力の中ではな」
「最弱です」
「そこがほんま問題や」
軍師の芥川も言ってきた。
「僕も考えてるけどな」
「他の勢力にどうして勝つか」
「相当に難しいで」
勝ち残り覇者となることはというのだ。
「これはわかるやろ」
「ああ、どの勢力も日本より国力と人口は圧倒してるわ」
「しかもどの勢力も星の奴が多くてな」
芥川はさらに話した。
「神星の奴等がおるな」
「ほんまに何処にもな」
「そやからめっちゃ強い」
どの勢力もというのだ。
「生半可な相手やないで」
「何処も勝つのが相当に難しい位にやな」
「そや、それでうちがどう勝ち残るか」
そして覇者になるか、というのだ。
「それが問題やが」
「どうするかやな」
「その策を今考えてる、それぞれの勢力にや」
太平洋の覇権を争う全ての勢力にというのだ。
「考えてるで」
「もうか」
「伊達に軍師やってへんわ」
芥川は笑ってこうも言った。
「既に考えてる、そしてな」
「下準備もやな」
「進めてな」
「その時が来ればやな」
「一気にそれをやって」
そのうえでというのだ。
「太平洋の覇者になるで」
「そうしてくか」
「ほなこれから内政と戦の準備両方するで」
並行してとだ、綾乃がここで一同に話した。
「皆忙しくなるけど頑張ってな」
「わかったわ」
「ほなな」
中里と芥川が応えた、そしてだった。
一同は内政と戦の用意をそれぞれの者が進めていった、多くの星の者を得た関西は彼等の力で大きく動こうとしていた。
第四十七話 完
2017・12・25
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