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夢幻水滸伝

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第四十七話 越前にてその十二

「他に使うべきや」
「まさに内政や軍事にな」
「そっちに使うべきやろ」
「誰もがそう思うからな」
「北朝鮮みたいなことはしてへんか」
「そんなことしたら潰れるわ」
 その勢力がというのだ。
「間違いなくな」
「それでやな」
「そや、誰もしてへんわ」
 どの勢力もというのだ。
「当然うちもや」
「むしろうちはかなり質素やな」
「そやろ、酒はかなり飲んでてもな」
「酒池肉林って訳やないしな」
「その表現何かいやらしいな」
 綾乃は中里の今の言葉に少しむっとして突っ込みを入れた。
「女の子の前で言うたらあかんで」
「いやいや、これ贅沢って意味やで」
「ハーレムとかやないの」
「文字通り酒の池を作ってな」
 中里自身が綾乃に酒池肉林の意味を説明した。
「それでお池の周りの木々に肉を吊るしてん」
「お肉そのものをか」
「そや、それもよおさんな」
「それで酒池肉林やな」
「そうやってん、まあそこで乱痴気騒ぎもしたけど」
 それでもというのだ。
「酒池肉林ってのはな」
「ご馳走の宴やってんな」
「そうやってんで」
「何や、それやったらや」 
 綾乃はその話を聞いて述べた。
「お刺身とか天麩羅とお酒でな」
「そっちの方かいな」
「食べて飲んでもええやろ」
「まあそやな」
 芥川もそこは否定しなかった。
「今で言うと焼肉食べ放題と飲み放題やな」
「そやろ、そんなんやってんな」
「昔は生産力がなかったからな」
 文字通りの酒池肉林が行われた時代はというのだ。
「お酒もお肉も貴重でな」
「それで途方もない贅沢でか」
「悪く書かれててんや」
「そやってんな」
「まあやった殷の紂王は暴君でな」
 このことで歴史に残っていて物語の悪役にもなっている、封神演義においてもその悪行はかなり書かれている。
「大昔にそれやっててん」
「成程な」
「それでうちはな」
 関西はとだ、芥川はあらためて自分達の勢力のことを話した。
「この世界の今現在の基準でいくとな」
「確かに質素やね」
「この御所にしても着るものもな」
「食べるもんかてな」
「この世界の誰もが食べてるもんやからな」」
「お刺身も天麩羅も」
「全部な、お寿司かてな」
 これもというのだ。
「普通に食べてるしな」
「お寿司は結構値が張るけどな」
 中里は寿司についてはこう述べた。
「あれは」
「まあな、けどな」
「町に行くと普通にお店結構あるな」
「それでや、別に僕等は贅沢してへんやろ」
「政にちゃんと使ってるな」
 そちらの方にというのだ。
「内政に軍のことも」
「そやろ、それが普通や」
「あの国みたいにしたらな」
「それこそ国潰れるわ」
「軍は必要やけど収入にはならんしな」
 そちらにはつながらないことは中里もわかっている、何しろ関西の軍勢のことを任されているからだ。 
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