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夢幻水滸伝

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第四十七話 越前にてその十一

「世界大戦の頃を思うと」
「あれは非常時やろ」
「ガチで全面戦争やからやな」
「総動員していたんや」
 それぞれの国の国民達をというのだ。
「日本にしろそやったやろ」
「一億から三百万か」
「普段の日本軍はそんなに多くなかったわ」
「二十万位やったな」 
 中里が出した数は軍歌の歩兵の本領からだ、彼もこの曲を聴いていてそれでこの数を出せたのである。
「確か」
「陸軍でな」
「それでか」
「ああ、ただ自分はそれやったらって言うな」
「そや、今どの勢力もその戦をしとるわ」
 世界大戦の時とこのことは同じだとだ、中里も答えた。
「ガチでな」
「そやな、しかしや」
「それでもかいな」
「軍勢を見てみるんや、足軽にしてもや」
 その彼等の話をするのだった。
「職業は一つやないやろ」
「ああ、戦士も侍も僧兵もおってな」
「忍者もおるな」
「陰陽師も僧侶もな」
「それぞれの職業がおるな」
「あと後方にも大工やら建築士やらおる」
 そうした職業の者達もというのだ。
「西洋の言葉でマーシナリーとかハンターとかレンジャーになる奴もおる」
「専門職ばっかりやろ」
「それでか」
「専門職を入れて育ててるんや」
 そうしていることを話した芥川だった。
「そやからな」
「専門職が多いとか」
「多いに越したことないにしても」
 それでもというのだ。
「数より質が問題になる」
「二十一世紀の軍隊やな」
「僕等の世界で言うな」
「足軽それぞれの質が大事か」
「そういうこっちゃ」
「成程な」
「それでや」
 まさにというのだ。
「どの勢力も数よりはな」
「質やな」
「そうなってる、それに軍に銭使うのも大事やけどな」
「それ以上にやな」
「内政に使わんとな」 
 そちらを優先しなければというのだ。
「ましてうちはこれから学校も作ったりするしな」
「やること一杯あるしな」
「軍の規模が大きいよりもな」
「その大きな軍に銭を使うよりもやな」
「そっちが優先になってる」
「そういうことか」
「どの勢力も内政の方に銭使ってるわ」
 軍に使っているのは事実でもというのだ。
「間違っても北朝鮮みたいなことはしてへんわ」
「あの銭の使い方はあかんにも程があるな」
「軍にばっかり銭使ってるからな」
 常時そうしている、まさに兵営国家だ。
「しかもそこに将軍様個人の贅沢費がある」
「それもあかんな」
「軍事費が二割五分で贅沢費が二割か」
「あそこの国家予算のやな」
「そうした予算割り当てや」
「絶対にあかんな、特に贅沢費な」
 芥川はそこに呆れていた。
「何やこれ」
「そやからそうした国やねん」
「将軍様個人の贅沢でそこまで使うか」
「勿論この世界にそうした勢力はないで」
「当り前や、そんなもんに銭使うならや」
 それこそと言う中里だった。 
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