八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百四十九話 夏は終わりでもその六
「けれどそれ以外なら何でもっていうのは凄いよ」
「だよな、ひょっとしたら和菓子でもいけるか?」
「こっちは白になるか?」
「和食は全体的に白だからな」
「白ワインになるからな」
「そうだね、一回やってみようかな」
お饅頭とかを白ワインで食べてみようか、本気で思った。
それでだ、僕は三色団子をと考えたけれどだ。ここでだ。
部活の休憩時間が終わってそうしてからまた部活に戻った、そしてお昼休みまで汗をかいた。
お昼を食べる時にだ、お弁当のおかずの豚の生姜焼きを食べようとしたところで後輩の子達に言われた。
「その豚美味そうですね」
「生姜焼きもいいですよね」
「俺今度おかんに作ってもらいます」
「僕も」
「うん、生姜焼きっていいよね」
僕も後輩の子達に笑顔で応えた。
「豚肉と生姜って合うんだよね」
「そうなんですよね」
「豚肉って生姜に合いますよね」
「色々な調味料とか香辛料にも合って」
「生姜にもですよね」
「この豚と生姜の組み合わせがね」
お醤油で味付けするのも忘れない。
「御飯にも合ってね、丼にもなるんだよね」
「あっ、豚丼ですね」
「あれもいいですね」
「牛丼もいいですけれど」
「豚丼も捨て難いですよね」
「そうなんだよね、あと豚もいいけれど」
僕はここで豚からこちらの生きものを思い出して後輩の子達に言った。
「猪もいいよね」
「ああ、元々豚って猪からですしね」
「味似てるんですよね」
「匂いがあって固いですけれど」
「確かに美味しいですね」
「ぼたん鍋とかね」
その切った並べた様子が花の牡丹に似ているからこの名前になったらしい、狂暴な猪もこう呼ぶと奇麗だ。
「いいよね」
「いいですね、冬とか」
「あったまりますよね」
「確かにいいですね」
「冬はあれですね」
「そう、この時のお酒はね」
僕は生姜焼きをおかずにお握りを食べつつ後輩の子達に自分からお酒のことを話した、ぼたん鍋の時はどんなお酒か。
「あれだね、日本酒か焼酎だね」
「そっちですか」
「日本酒か焼酎ですか」
「日本のお料理ですし」
「そっちですか」
「うん、あったまるよ」
お酒の方でもだ。
「どんな寒い冬でもね」
「いいですね、ぼたん鍋と焼酎」
「神戸の冬って寒いですからね」
「あったまるのが美味しくて」
「最高ですよね」
「そう、だから僕もね」
夏だけれど冬のそのお料理を思ってだ。
「いいと思って言ったんだ」
「やっぱり肉は固いですけれどね」
このことは仕方がない、昔の豚肉も固くて猪みたいな味だったんだろうか。史記で豚の生肉を食べる場面があったけれど当時の豚肉はそんなのだったのだろうか。
「いいですよね」
「冬の美味いものの一つですね」
「豚の鍋もいいですけれど」
「あっちの鍋もいいんですよね」
「だからね」
それでとだ、僕はまた言った。
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