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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百四十八話 イルカその六

「シャチとかアシカもいるんです」
「そうなの」
「はい、そこでやっぱり芸も仕込まれています」
 今僕達の前にいて水面を跳んでいるイルカ達みたいにだ。
「物凄く大きいですね」
「五メートルとか六メートルとか」
「それ位は普通にあります」
 実際にだ、どう見ても下手な鮫よりずっと大きい。あんなのに襲われたらそりゃイルカなんてひとたまりもない。
「白浜のも」
「そうなの、私もオーストラリアで観たけれど」
「大きかったですよね、やっぱり」
「それ位あった」
 五メートルか六メートルはというのだ。
「普通に」
「それ位はありますよね」
「海の王者だけはある」
「しかも一頭一頭じゃないですから」
 活動するにはだ。
「群れを為しますからね」
「あんなのが群れを為したら」
「もう敵なしですよ」
 イルカも群れを為す、けれどシャチの場合は生態系や大きさが違うからもう洒落になっていないのだ。
「それこそ」
「そうね」
「はい、この水族館にはいないですが」
「大人しい生きものが多い」
「そうですね」
 そう言っていい、この須磨水族館は市営のせいか案外大人しいカラーだ。そこにいる生きもの達もだ。
「獰猛な種類の生きものはいないですね」
「そうね」
「ピラルクも大きいですが」
 本当に大きいことは大きいけれどだ。
「草食性ですしね」
「それで大人しい」
「そうですから」 
「全体的に大人しいカラー」
「そうなんです、あと鳥羽水族館も」
 関西だとそちらもだ、とはいっても鳥羽水族館のある三重県は関西じゃなくて東海だとされることも多い。
「荒いカラーじゃないですね」
「あっちはどうしたカラーかしら」
「癒し系ですかね」 
 僕があの水族館に入って感じたイメージはだ。
「そちらになりますか」
「そうなの」
「ここにもウミガメがいますけれど」
 アカウミガメだ、とはいってもアカウミガメとアオウミガメの区別はちょっとつけにくいと思う。
「あっちにもいてラッコとかスナメリとかアザラシとか」
「癒し系なの」
「このアザラシが面白くて」
 どういったアザラシかともだ、僕はエリザさんに話した。
「バイカルアザラシっていいまして」
「確かそのアザラシは」
「ロシアの湖にいる種類ですわね」
 エリザさんだけでなくジョーンさんも言ってきた。
「そうでしたわね」
「うん、少し小さくて丸々しているんだ」
 そうした外見のアザラシだ。
「あとグソクムシもいて」
「ダイオウグソクムシですわね」
「八条学園の水族館にもいるけれど」
「何年も食べないで平気という」
「そうした凄い生きものもいてね」
 このダイオウグソクムシも含めてだ。
「全体的に癒し系だよ。ペンギンやカブトムシもいるし」
「あの瀬戸内海にいる」
「そう、平たくて丸いね」
 そして尻尾は細長い。
「そうした生きものもいてね」
「カブトムシも癒し系ですの」
「そうなんだ」
 見ているとこれが和む。 
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