レーヴァティン
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第四十八話 バイキングの戦いその四
「それもあるよ」
「バイキングが使うこともか」
「ハンマーはハンマーで使えるし」
「戦いに他の雑用にな」
「叩くから」
「斧は切ってな」
「それで使うからね」
「それで鎚で戦ってるんだな」
そのバイキングの戦闘を見ての言葉だ、湖の巨人達をその鎚で殴り倒しそのうえで金塊に変えていっている。
「あんな風に」
「そうだね」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「あいつもかなり強いな」
戦闘自体のことにも言う久志だった。
「巨人をもう三体倒してるぜ」
「一人でね」
「あれは相当だな」
「そうだね、じゃあ今から」
「俺達も行くか」
「船足は最速にしてるからね」
既にと言ってきたのは淳二だ。
「じゃあね」
「ああ、もうすぐあっちに着くからな」
「それで戦いに合流してね」
「巨人共を倒してな」
「それからあのバイキングと詳しい話をするか」
「そうしような」
久志は言いつつレーヴァティンを抜いた、そうしてすぐに傍にまで近寄っていた巨人達のうち一体の頭が丁度目の前にあったのでその額を貫いた、それを合図にしてだった。
久志達は他の巨人達も倒していった、バイキング見れば黒い髪の毛に機能的なバイキングの鎧に左右に角の付いた兜を被ったいかつい顔の男だった、眉は太くしっかりとしていて目は大きい。背は剛程ではないが結構なものだ。
その彼と合流して戦い巨人達を全て倒した、それからだった。
久志はバイキングの船に横付けをしてそのうえで彼に尋ねた。
「あんたがクラーケンを倒しにここまで来たっていう外からの世界の奴か」
「そういうあんた達も」
「ああ、外見でわかるだろ」
「アジア系だからな」
その外見でとだ、バイキングも答えた。よく見ると顎にうっすらとであるが髭が生えている。口元にはいつも笑みがある。
「それでな」
「そうか、それであんたもか」
「ああ、外の世界から来たな」
「この世界を救うって言われてる奴のうちの一人か」
「多分あんた達と一緒だな」
バイキングは久志に笑ってこう返した。
「そこは」
「やっぱりそうか」
「ああ、しかしな」
「しかし?」
「それであんたがその十二人をまとめるか」
「話が早いな、そうなってるみたいだな」
横付けしたその船にいる男に話した。
「俺がな」
「だよな、その燃える剣はな」
「レーヴァティンだよ」
「この世界を救う剣か」
「そう言われてるな」
「そのあんたか。じゃあ俺っちもか」
「一緒に来てくれるかい?」
話の展開を見てだ、久志はバイキングに誘いをかけた。
「あんたも」
「そうした話だしな」
バイキングは久志に素直に返した。
「じゃあな」
「ああ、来てくれるかい」
「そうさせてもらうな。ただしな」
「クラーケン倒すつもりかい?」
「いや、どうもこれがな」
クラーケンのことを話されるとだ、バイキングは久志に微妙な顔になってこう答えた。
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