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オズのトト

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第十二幕その五

「そっちも楽しみだ」
「ううん、私はお酒は」
「子供だからか」
「別に」
「ははは、まあ飲めないなら仕方ない」
 青鬼も笑ってそれならいいと返しました。
「飲めるものを楽しんでな」
「冷やし飴はどうかな」
 ここで言ってきたのはツキノワグマでした、見れば北海道のヒグマよりも身体は小さいです。
「あの飲みものは」
「冷やし飴?」
 そう聞いてです、トトは言うのでした。
「それどんな飲みものかな」
「ううん、物凄く甘い日本のジュースっていうか」
「ジュースなんだ」
「そうなの、とんでもなく甘いの」
 そうしたものだというのです。
「これがね」
「じゃあそのジュースを飲んで」
「ええ、そしてね」 
 恵梨香はトトにお話しました。
「どんな味か楽しんでね」
「わかったよ。是非ね」
「ちんすこうもあるよ」
 シーザーは沖縄のお菓子をお話に出してきました。
「こっちも楽しんでね」
「茹でたジャガイモに塩辛を乗せて食べるんだ」
 コロボックルが言ってきました。
「信じられない位美味しいからね」
「そんなに色々出されたら」
 ドロシーは少し苦笑いで言うのでした。
「何を食べていいかわからないわ」
「多過ぎて?」
「ええ、本当にね」
 それこそというのです。
「そうなってるから」
「その時はあれかな」
 ここでコロボックルが言うことはといいますと。
「一つ一つを指差していってどれにしょうかなってね」
「選んでいって」
「そしてね」
 そうしていってというのです。
「選んだらどうかな」
「あっ、そうした選び方があるの」
「そうなんだ、日本ではね」
 コロボックルの中年の男の人がドロシーに紹介します。
「どれにしょうかなてんのかみさまのいうとおり」
「その言葉の順に」
「そうしていって」
 そのうえで、というのです。
「選ぶんだ」
「ううん、それじゃあ」
「それでいく?」
「そうね、いや日本の選び方ってね」
「どうかな」
「面白いわね」 
 こうコロボックルに答えました。
「それも」
「それじゃあ」
「それで選んでみるわ」
 実際にというのです。
「何を最初に食べるのかね」
「そうするといいよ。ジャガイモはいいよね」
「美味しいわよね」
「焼いても茹でてもね」
「それで茹でてなのね」
「上に塩辛を乗せて食べるんだよ」
「北海道の食べ方ね」
「僕達も楽しんでるね」
 それだというのです。
「そうだよ」
「よくわかったわ、じゃあ選んでみるわね」
「そしてジャガイモが最初に当たったら」
「食べてみるわね」
 ドロシーはコロボックルににこりと笑って応えました、そして実際にその選び方で最初に食べるものを決めました。 
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