オズのトト
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第十二幕その四
「今からお祭りに」
「そうだよ、一緒に行こうね」
トトがそのボタンに応えます。
「皆で」
「うん、わかったよ」
「あっ、ボタンも今は」
恵梨香がここで気付きました、その気付いたことはといいますと。
「わからない、じゃないわ」
「僕もそうした時があるよ」
「わかる時がなのね」
「そうだよ」
その通りだというのです。
「今みたいにね」
「そうなのね」
「僕はわからないことはわかるって言ってね」
「わかることはなのね」
「わかるって言うよ」
「正直になの」
「そうだよ」
まさにというのです。
「そうしているから」
「だからなのね」
「今はわかるって言ったんだ」
「よくわかったわ、私も」
恵梨香はにこりと笑ってボタンに答えました。
「そのことは」
「それは何よりだよ」
「そうよね」
「うん、じゃあね」
「今からね」
「お祭りに行こう」
「そうしましょう」
最後にドロシーが言ってでした、皆でお祭りに行く為に飛行船を真ん中の山へとやりました。
そして山に入るとです、本土の生きものや妖怪、沖縄や北海道の彼等に鳥さん達もいました。
その皆を見てです、トトは尻尾を横にぱたぱたと振って言いました。
「皆いるね」
「この通りね」
鳥さんの代表が応えました。
「集まったよ」
「そうなんだね」
「他の皆もね」
「さて、今日は」
ここで言ったのは赤鬼でした。
「皆で楽しくやろうか」
「歌って踊ってだね」
「その通りだよ」
赤鬼は笑ってトトにも答えました。
「皆でな」
「踊りはどんなのかな」
「盆踊りだよ」
「日本のだね」
「そう、それを踊るのだよ」
「はじめて見るね」
盆踊りはとです、トトは言いました。
「どんなのかな」
「それは視てのお楽しみだな、そして酒も料理もある」
「お料理も」
「そう、そちらも楽しめるぞ」
「色々あるぞ」
青鬼も陽気に笑って言ってきました。
「焼き鳥にとうもろこし、焼きそばにたこ焼き、お好み焼きとな」
「あっ、全部出店の食べものね」
恵梨香がそうしたお料理の名前を聞いて言いました。
「全部わかるね」
「おっ、日本人だからわかるか」
「あとたい焼きとりんご飴、水飴にベビーカステラ」
「クレープもあるぞ」
「何でもあるのね」
「そうだ、お嬢ちゃんが食べたいものは全部な」
それこそというのです。
「あるぞ」
「それは何よりですね」
「そう、そしてお酒もあるしな」
青鬼は満面の笑顔で言うのでした。
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