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夢幻水滸伝

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第四十三話 内政の人材その十二

「田中君も来てくれてです」
「海の方もやな」
「大丈夫そうですね」
「いやいや、これがや」
「来てくれるかどうかですか」
「不安やで」
 そうした心理状況だというのだ。
「こうした人材勧誘ははじめてやけどゲームでやっててな」
「シュミレーションゲームで、ですね」
「その時思い出すわ」
 ゲームでの人材登用をというのだ。
「来てくれるかどうか不安や」
「それは僕もわかります、シュミレーションゲームは好きなので」
「そうか、自分もわかってくれるか」
「不安になりますね、ですが」
「僕と鵺やったらか」
「大丈夫です」
 絶対にという言葉だった。
「ですから安心してです」
「吉野に行ってか」
「田中君とお会いして下さい」
「わかったわ、しかし大和ってな」
「吉野から南はですね」
「もう山ばっかりやな」 
 即ち木々に覆われているというのだ。
「人は殆どおらんでな」
「はい、僕達本来の世界と同じで」
「大和の南はやな」
「人は少なく」
「北と違ってな」
「山が何処までも連なっています」
 木々に覆われた山々がというのだ。
「そうなっています」
「そうした場所やな」
「そうです、そして」
「そうした場所やからか」
「林業が昔から盛んで」
 起きた時の世界の話もする志賀だった。
「こちらの世界でもです」
「星の奴がおってやな」
「活躍しています、では田中君もですね」
「誘いかけるわ」
「宜しくお願いします」
 謙虚な態度で言った志賀だった。
「彼のことも」
「ああ、じゃあその田中が都に来るのを待ちながらか」
「これからは政として農業をしていきます」
「頑張ってくれや、やっぱり農業あってやからな」
「はい、国は栄えます」
「人間食わんとあかん」
 このことは絶対のことだ、人間は何かを食べて飲まないと生きていくことが出来ない。だからこそ人間は農業を営んでいるのだ。
「皆がこれまで以上に美味いもんを腹一杯食える様にしてくれ」
「そうさせてもらいます」
 確かな顔で約束した志賀だった、そしてだった。 
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